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小説

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ぼくの夏休み

朝、浜辺を散歩していたら、海で溺れそうになっているカブトムシを見つけました。
「どうして海にいるんだい? 早く山へお戻りよ」
僕はカブトムシを指でつまみあげ、空に向けて飛ばしてあげました。
「助けてくれてどうもありがとう。お礼に僕の家に招待するよ」
驚いたことにそのカブトムシは喋りました。
「でもお母さんに行っていいかどうかきいてみないと」
「聞くだけ時間の無駄遣いってもんさ」
カブトムシは僕の頭に張り付くと
タケコプターの要領で僕を抱えて山の方へと飛んで行きました。


カブトムシの家は僕の住んでいる団地の何倍もある豪邸でした。
部屋には大きなテレビとたくさんのゲームソフトがあって
ゲームを持ってない僕は夢中になって遊びました。
お腹が空くと、カブトムシがビンに入った甘い樹液を持ってきてくれて
二人でパンに塗って食べました。ハチミツよりもクセになる味です。
「僕の家気に入ってくれたかい? なんなら泊まっていってもいいよ」
「でも、お母さんが心配するから。今日はもう帰るよ」


帰り際にカブトムシは大きめの木の箱を僕にくれました。
「おみやげだよ。家に帰るまで絶対に開けたらだめだからね」
「わかった。どうもありがとう!」
帰り道、僕は箱の中身がとても気になってしょうがありませんでした。
箱の大きさからして、もしかして中身はゲーム機かもしれません。
僕は我慢できずに木の箱を開けることにしました。
蓋を開けると中から黒い煙が出てきました。
僕は長い間目を開けることができませんでした。


しばらくして目を開けると、目の前に白い壁が見えました。
横を向くとすぐそばにお婆さんが座っているのが見えました。
お婆さんは僕の顔を見ると涙をポロポロと流し始めました。
「よかった。よかった……」
お婆さんはかすれた声で僕の名前を何度も呼びました。
その声はなんとなくお母さんに似ていました。
ここはどこだろうと思って周りを見回すと
窓に知らないおじさんが映っていました。

更新日:2010-02-17 16:22:00