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小説

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独白~ツ・レ・ヅ・レ~

真夏の夜の大惨事。
猛暑の中にクーラー故障。
オンボロだったけど、何もこんなタイミングでご臨終なさらなくても。

窓から入り込んでくる湿った熱風が肌に心地悪い。
うだるような暑さ。茹であがったカニの映像。
そういえば朝から何も食べてないな。
夏バテで食欲ないけど。

恒例の冷蔵庫の中身チェック。
中にあったのは、カレールー。
以上。

米もねえ。パンもねえ。
テレビもねえ。ラジオもねえ。

カレールー単体。
お湯で溶かしてカレー汁?
それともそのまま直?
「あたためても、そのままでも、おいしくいただけます」
そんなフレーズが頭に浮かんで、なんだか全てがどうでもよくなっきた。

食べることも、明日のことも、

ヤンキーのおねえちゃんが乗ってる軽自動車にはどうしてふわふわの毛皮見たいのが運転席の前あたりに必ずかかっているのかも。
うわ、それはホントにどうでもいい。

なんかもう、ふて寝だ。
ふて寝トラーEIJI。

ふて寝してたら夢にカレーの王女さまが出てきた。
黄色いドレスに黄色いティアラ。
「インドから来ました」
彼女は言うけど、どう見ても日本人。

彼女は自慢の特製カレーを僕にふるまってくれた。

これがとっても旨い。
なんだかいろいろ入ってて旨い。ちなみに肉はカップヌードルの肉が大量に入ってた。
コロチャーになる前のやつ。

「隠し味に味噌とインスタントコーヒーと汚れちまった悲しみが入ってます」
汚れちまった悲しみ?

ウマウマいいながらおかわりする。
何杯でも食べられそうな気がする。
オレの胃袋は宇宙だ!
裸になって何が悪い!

目覚めるとすごく腹が減っていた。
あんな夢を見たせいでなんだか無性にカレーが食べたい。
さっそくスーパーへ出かけよう。
起き上がろうとした僕の手にぐんにゃりとした感触。
なぜか冷蔵庫から出したままにしておいたドロドロに溶けたカレールーがそこにはあった。
手を見る。じっと手をみる。
手を洗う。キッチンで手を洗う。

手を洗うとなんだかソーメンが食べたくなっていた。

更新日:2010-02-17 16:24:52