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アコウクロ  第一章 2

頭の中に繰り返し、何度も何度も最後の言葉が残った・・

目の前に横たわる、ちぃ・・


京介は縋り付き泣き叫んだ・・


まるで世界が終わるかのように・・


何度も名前を呼んだ・・



『おい 起きろ!起きろ!ちぃぃぃぃ・・・いっ・・うっぅぅ・・・』


『ちぃぃぃぃぃぃ・・・』



涙に溺れ 悲しみのどん底に堕ちた・・


数日間の間、部屋に閉じこもった・・







『京介さん(*´∀`*)』


『なんだ?』


『ねぇ京ちゃんって、呼んでいい?』


『あぁ、じゃあ俺は「ちぃ」って呼ぶな』


『うん(*´∀`*) そう言うの・・好き・・』

『ハハハ』





ちぃは京介の心の中で育っていった・・


誰にも見えない・・京介にしか見えない「ちぃ」がそこにいた・・・


京介は独り言が増え、何かに取り付かれたようになった・・



『ちぃ 今日 星でも見に行くか?』

『うん(*´∀`*)』

『俺な・・今まで本当に素直になれなくて・・ 』

『知ってるよ(*´∀`*)』

『そうか(笑)ちぃは何でも知ってるんやな』

『うん(*´∀`*)』



京介はちぃの鞄を持ち出かけた

はたから見たら女物の鞄を持つ、一人の男が星を見ている・・

そんな風に見えていた



『ねぇ 京ちゃん。ちぃはね本当に嬉しかったんだぁ』

『何がや?』

『だってぇ 世界一大好きな人のお嫁さんになれたんだもん』



涙があふれ出た


『俺もだよ・・ちぃ・・幸せになろう もう、繰り返さない・・』


『うん・・京ちゃん・・好き・・愛している・・』


『あぁ・・俺も愛している・・』


星空を眺めながら京介は言葉を失い始めた・・


ちぃの好きな星空・・

少しの孤独感を理解した・・



帰りにブライダルサロンの前を通った・・

店内に大きく飾られた、ちぃのウエディングドレスのパネル・・


「あぁ・・ちぃ そんなとこにいたんや・・」


急いで サロンに入った

パネルの前で ちぃを眺めた・・


一歩も動かず、ちぃだけの事を考えていた・・


デザイナーのめぐが京介を見つけた



『京介さ・・ん・・』

『・・めぐさん・・』


『どうされました?・・やはり・・まだ・・』

『えっ?』


『いやね・・ちぃは本当によくやってくれてますよ、昨日もね・・・』


京介はめぐに、ちぃの死を話した事を記憶から消していた・・


現実を受け入れられない・・京介の弱い心が傷を埋めていた



『昨日・・ですか・・』

『そうそう、でね、ちぃがね、星が好きで・・それで・・』



めぐは涙が込上げた・・・受け入れられずにいる京介を哀れに感じた・・



『そう・・ですか・・じゃあ 喜んでますね・・』

『ええ 本当にちぃは・・ちぃ・・は・・』




突然黙りこくってしまった・・



『さぁ、京介さん、これを奥様に・・』


そう言い ブーケを渡した


『これは?』


『女の子はブーケが好きなんですよ(*´∀`*) 持つのも幸せ、投げて受け取る人も幸せになれる 魔法の花なんですよ まだ 買ってないですね?』



『・・はい・・』




めぐからブーケを受け取り、部屋に戻ることにした



『ちぃ・・喜ぶかな・・』



部屋に帰ると、そこに、ちぃはいた



『ただいま、ちぃ ほらブーケだよ』




『あーん 京ちゃーん(*´∀`*) 嬉しい』




『買い忘れてたもんな・・・』






急にちぃの形相が変わった・・




『今頃・・なんだよ・・こんなもの・・・』



『おい どうしたんや?』


『お前のせいで 私は・・・私は・・』





言葉が良く聞こえなかった




『サタンか・・』




『○△◇・・・』




その形相は一瞬で消えた・・





『(*´∀`*)ダイジー』



『(*´∀`*)ダイジー』



『(*´∀`*)ダイジー』



『(*´∀`*)ダイジー』





繰り返される ちぃの言葉・・





京介はブーケを持ちながら倒れた・・・







『ち・・ちぃ・・・・』













更新日:2010-02-11 01:03:09

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