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アコウクロ  第一章 10




『ちぃぃぃー!』


ちぃの名を叫びながら 目を覚ました・・


床にうつ伏せに倒れ込みながら 

手を伸ばしてる先には薬が散乱していた。


体は痛みで動かない・・ 


「ベットが目の前にあるのに・・・こんなとこでか・・」


夢かフラッシュバックなのか・・よく分からない・・



しばらく、そのまま床に寝ていた・・



体の痛みも取れてきた・・体を起こし薬を取ろうとした。



「許さない・・」



振り返ると、ちぃが薬を持っていた




「ちぃ、それを渡してくれ」


「いや・・あなたも苦しめばいいのよ、もっと・・もっと・・苦しめばいいのよ」



体は金縛りにあったように動かなくなった。




ちぃは京介の首に手をかけ絞めてきた・・



「や・・やめろ・・」


「自分だけ・・自分だけ・・・」


「・・・そ・・そうか・・そら・・そう・・思うよな・・」




ちぃの手は京介の首を尚も絞めつけた



「なんでぇ・・なんでぇ・・私は、私は・・あんなにあんなに愛していたのに・・」


「ちぃぃ・・俺も そっちに連れていってくれ・・もう 十分だ・・・」





ちぃの姿は消えた・・





京介はベットに寄りかかりながら 大粒の涙を流した




「ちぃ・・ちぃ・・」




大きな声でみっともない位に大泣きをした・・





散らばる薬を拾った





「はぁ・・・」





水を取りに行く際に鏡の前を通った。





すると京介の首には、絞められたような痕が付いていた。





「これは・・・フラッシュバック・・程度のものではないな・・俺を恨んでいるんだな・・」




薬を増やして飲んだ・・





「ゴクッ・・」






京介は考えていた。





ちぃの本当の気持ち




本体と呼ばれた人格



自我と呼ばれた人格



サタンと呼ばれた人格




どれも愛せる・・そう思っていた。




故に、ちぃに殺されるなら本望だ・・そう感じていた





鞄の中から、ちぃの写真と服を取り出した




写真の中のちぃはドレスを着て甘えていた






「・・・」






ちぃの服を抱きしめて匂いをかいだ・・


癒されるような、包まれるような気持ちになった・・




「ちぃは・・死んだんだ・・・」




「いや・・俺が殺したんだ・・」




かけがえの無いもの・・



失ってからじゃないと気付けなかった愚かさ



今頃、気づく愛の深さ






「だいじ・・か・・」





「いつも そう言ってたな・・」





一点を見つめながら呟いた。





そのままいつの間にか眠りに落ちた





夢の中・・・  



京介は海辺にいた・・




「これがあの夕焼けだよ・・」


「あぁ・・これが・・これが・・」






誰かと話をしていた  


それはちぃでは無く別の人間だった・・




顔は見えず声だけが聞こえ目の前には 


写真と同じような景色があった。







「これからだね・・」





「あぁ・・」






とても暖かく優しい世界のような気がした




何かもが穏やかで時間の流れがとてもゆっくりで


誰にも邪魔することの出来ない永遠の時間にも感じた・・





























更新日:2010-02-15 14:06:46

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