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アコウクロ  第一章 9



『夕日・・を探しに行くんや・・』


梨花は聞いてきた。


『あぁ、そうや・・大事なもの失くしたでな・・そこに行けば、きっと何か分かるような気がしてな・・・』


『そっか・・見つかるといいね』


『・・そやな・・』


『もし・・無駄足だったら?』


『無駄な事は無い、そこに・・・いや・・何でもない』


『なに?気になるやん』


『ハハ・・そやな。ごめん』





『梨花ちゃん。ほら 折角の再会なんだから 沢山 ご馳走になりさ~い(笑)』


ママが言った


『えっ・・はい(笑)』


『・・下村・・ここの勘定はお前持ちや・・(笑)』


『えー・・かなわんわ・・(笑)』


現在と過去、その人間しか分からない感情・・・

誰に理解される事もなく、理解されたくもない



特別な時間と後悔・・。



全てが特別で・・ 

全てが新鮮だったのかもしれない・・。


その想いは、誰も知る由もなく、目の前の人間たちは再会と称し酒を飲み楽しくはしゃぐ



俺は皆に合わせはしゃいだフリをした。


「今が良ければいい・・」





宴は続いた・・


店の閉店を迎え、その後、朝までやっている店へと・・



途中、下村は明日の仕事があると帰る事と言った

ママも下村と共にタクシーへ乗り込んだ。




『京介はん。また』

『おう、またな』


『連絡するさかい、ちゃんと電話受けてな』


『あぁ、またな』


二人を乗せたタクシーが走り去った



梨花は変わり果てた京介が気になっていた




『しかし、ほんま久しぶりやね京介ちゃん』


『・・そやな・・』


『で・・どうするの?今日、ホテルは取ってるん?』


『あぁ、心配無い、お前も、もう帰れ・・ワシは大丈夫や』


『でも・・なんか見てられんわ・・うちで良かったら、まだ付き合うし』


親切にされる事を嫌った・・


『帰れ・・目障りだ・・』


『なんなん?元気ないと思って言うたのに!』



梨花は京介の急変した態度に怒りだした



『もういい・・一人にして欲しいんや・・頼む、帰ってくれ梨花・・』




梨花は何も言わずに、後ろを振り返る事もなくその場を立ち去った・・



その後、ひとりでブラブラ歩き、気がつくと鴨川のほとりへいた。


辺りは明るくなり始め少し肌寒い感じがした。


橋の上まで歩き 川の流れをぼんやり 眺めた・・




「ちぃ・・」


「どうしたの?京ちゃん?」



「どうもせんわ・・」



「昔の彼女に会って、少しセンチな気分?」



「馬鹿かお前、そんなん違うわ・・」



「それなら元気だしなさいよ、京ちゃん」



「出せるか・・お前がおらんのに俺はこうして生きている・・お前がいないのに空気を吸い、飯を食べ、伸びた爪を切る・・お前がおらんのに・・・」





ちぃの姿は見えなくなった・・




「ちぃ?・・なんだ・・もう・・終わりか・・」





頭痛がしてきた・・・





割れる様な痛み・・




「薬はホテルか・・仕方ないな・・」




敢えて、この痛みも心地がいい・・ 


自分が責められている・・そんな風にも感じれた



橋にうなだれながらタバコに火を点けた・・





「フゥー・・」



目の前が真っ暗になり 頭がグラグラしてきた・・



「少し飲みすぎた・・か・・」





「戻らないと・・」




ホテルまでの距離は差ほどでは無かったが何時間も歩いた様な気がした。


部屋に着くと見えると思っていた、ちぃの姿は無かった



頭痛は痛み増し、割れるような痛みが全身に伝わるような気がした





「く・・薬・・」




薬に手をかける瞬間に京介の意識は堕ちた・・







深い闇へ・・・





「京介しゃん (*´∀`*)ダイジー」


「ちぃ、おいで」


「ダイジー ダイジー」



胸に飛び込んでくる ちぃ


一身に甘えてくる、ちぃを抱きしめた・・



「ちぃちぃ 可愛いよ」



ちぃも京介をきつく抱きしめてきた


どんどん力が増し、痛いみを感じてきた・・



「ダイジ・・嘘! 大事 本体 わたし 違う!」


「うぅ・・うっ・・」


涙を流す・・・その表情に京介は悔しさと無念さを感じた


「それで気が済むのなら・・そのままそうしてくれ・・許してもらえるなんて思ってはいない・・」


「いやぁぁぁー 大事!大事!だいじぃぃぃー」












更新日:2010-02-14 01:39:43