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第0話 始まり(修正済み)

近い未来。
環境問題の1つである地球温暖化。
人類はその対策として新エネルギーの開発、新しい発電方法などを試みたが、結局、温暖化の進行を止めることは出来なかった。
温暖化による過度の気温上昇は北極や南極などの氷を全て溶かしてしまった。
それによって大規模な海水面の上昇が発生し、地球上に存在する大陸のほとんどが海に沈むと言う大惨事をもたらした。
温暖化の勢いは衰える事がなく、このままでは全ての大陸が沈んでしまうという由々しき事態になっていた。
事態を重く見た国際連合は大企業『エクセリプス』に地球救済策の立案を命じた。
エクセリプスは世界の3分の2の財力を誇る巨大企業だ。
環境、科学、医学、工学、生物学など扱う分野は多岐に渡り、その全てにおいて頂点に立っている。
そのエクセリプスを統べる男『アルバトス・ゼオリアル』はある2人の部下に指揮権を委ね、温暖化対策の開始を命じた。

数年後。某国地下施設。
そこは大規模な研究所だった。
内部は広大な1階とテラスとなっている2階で構成されている。
1階には机がびっしりと並べられ、その一つ一つにパソコンと山積みの資料の束、そして白衣に身を包んだ研究員が座っている。彼らは驚くべき速さで資料を手に取ったり、キーボードに何かを打ち込んでいたりした。
そして1階の奥は超強固な透明の防弾ガラスに包まれた巨大なカプセルがあった。
カプセルもまた透明のケースで中には何も入っていない。
その1階を2階のテラスから見下ろす2人の男性がいた。
彼らこそアルバトスの命により、温暖化対策を進めていた2人だった。

「トーン君、いよいよKプログラムが始動する」
「そうですね、博士」
トーンと呼ばれた20代の男は明るい返事をした。博士は笑顔になる。
「このプログラムが成功すれば人類の輝かしい未来が待っている」
「もちろんです、博士。アルバトス社長のご期待に応えましょう」
「うむ、当然だ」
言い終わると2人は再び1階の様子を見た。世界で名を轟かせた科学者達が一生懸命に働いている。
そう、プログラムは着々と進行している。
成功すれば温暖化は止まり、歴史上最大の業績を得る事が出来るだろう。
トーンは近い将来を想像する温水に浸り出したが、すぐにそこから抜けだした。
気の緩みは失敗につながると過去の実験で思い知っている。
これまでは失敗の連続だった……。
だからこそ、この計画は何としてでも成功させねば……!
トーンは改めて決意を固め、1階の奥に設置されたカプセルを見つめた。

更新日:2011-10-17 00:19:04

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