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第6話 ペルデラー(前編)

10年前 レイダリア帝国 首都”ケデス”

止まない雨の中、1台のリムジンが街中の道を走っていた。
「まもなく、到着です。上院議員」
車を運転している黒服の男性が後部座席のヒゲを生やした男に言った。
「うむ」
上院議員はそれに返事した。
数分もしないうちに車は大きな建物の入り口に到着した。
入口まで何十人ものガードマンの道ができていた。
「到着しました」
運転していた男が先に降りて、後部の扉を開けた。
「ん?」
車を降りた上院議員は異変に気付いた。
ガードマンの道の真ん中にいつの間にか、1人の少女が立っていたのだ。
茶色の長い髪に青い瞳。白いワンピースに身を包んでいるが、雨のせいでその髪や服はずぶぬれだった。
「誰だ、君は?」
上院議員がそう聞いた瞬間、少女は顔を上げて言った。
「始動」
ビキッ!
少女の言葉の終わりと共に、上院議員の顔にヒビが入った。
そして、肌の色が薄い茶色になり、砂のように崩れ落ちた。
「上院議員!」
運転していた男が叫んだ後、その男を含め、周りのガードマン達も砂と化した。
少女はゆっくりとその場を去る。
情けなどない。私は命令に従うだけ。ただ、それだけ・・・。
ターゲットを殺すこと・・・ただ・・それだけ。

更新日:2010-11-27 13:26:18

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