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第5話 怪盗ヴァイル(後編)

リライアス国 バトラー城内 王室
夜。
星々が輝いている空を第23代目国王”ダッド・ロール”が見つめていた。

ガチャ!

後ろのドアが開き、ラード大臣が入ってきた。
ダッドは背を向けたままだ。
「陛下、とうとう、このバトラーにもKが・・・」
「気にすることはない」
ラードは冷や汗を流しながら言ったのをダッドが遮った。
「しかし・・・」
「単体で派遣させるなどデルらしくない。おそらく、使い捨てだろう」
「なら、いいのですが・・・」
ダッドがそれ以上喋らないので、ラードは部屋を出ていった。
「・・・・」
ダッドは黙って再び、空を見上げた。
炎の鬼神・・・。
Kとの戦いの末にお前が知るものは想像をはるかに超えることかもしれない。

バルタルト 10階 結晶保管室
結晶が保管されているこの階は迷路のような通路で至る箇所に部屋がある。
結晶は一番奥の部屋でその中の金庫に入っていた。
「なんだ、停電か!」
「奴が来るぞ!気を付けろ!!」
先ほどの停電で警備員達が警戒心を高めた直後だった。

ガシャーン!

窓ガラスの割れる音が聞こえ、近くに居た4人の警備員がその場所のライトを向ける。
そこに黒服で顔と体全体を包んだ者がいた。
「誰だ?」
警備員達が叫ぶ。だが、男は質問に答えず、こう言った。
「始動!」
とたんに黒服の男が地面に消えた。
「ど、どこにいった!?」
警備員たちが辺りを見回した。
すると

ガスッ!ドカッ!バキッ!ゴキッ!

「ガハッ!」
「グッ!」
「ゲホッ!」
「グワッ!」
あっというまに4人は黒服の男に殴られ、気絶してしまった。

バン!バン!

それに気付いた別の警備員2人が発砲した。
「うわ~!!」
だが、それはあたらず、なぜか近くの壁から黒服の手が伸び、2人を引きずり込んだ。
あらかた片づけた後、通路に黒服の者が現れ、顔の部分だけを取った。
誰なのかは読者の人達には想像できるだろう。
それはKに雇われたヴァイルだった。
「・・・・・」
ヴァイルは笑みを浮かべると、その場から姿を消した。



更新日:2010-11-22 07:32:21

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