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第4話 怪盗ヴァイル(前編)

クノス村から東へ約10キロ。 
そこには広い森林が生い茂っていた。
「ゾイナーを倒すとは・・・。さすがは炎の鬼神」
その森の中にいた黒いフードに身を包んだ者がそう呟いた。
青い髪、そして他の人々を震え上がらせるような威厳のある眼光を持っている男だ。
「グリュナー様!」
男の名を呼びながら、2人の者が現れた。
先ほどクノス村でレオン、ストナルと対峙したアローナとドライクである。
「お前たちか・・・」
グリュナーは黒いフードの頭の部分だけ脱いだ。
「グリュナー様、先ほどの撤退は一体・・・」
アローナがたずねた。
「ゾイナーが炎の鬼神に敗れた」
グリュナーは表情を変えずに言った。
「ケケケ、所詮イダイオットですからね」
「そのイダイオットを・・・・私が変えてみせますよ」
そう言いながら、グリュナーの背後から研究員のような服装をした男が現れた。
その後ろにはマサイブ達が大きなカプセルのようなものを運んでいる。
「これはこれはマサイブの創成者”D”ではありませんか。ごぶさたしております、ケケケ」
「D、そのカプセルは?」
アローナがたずねた。
「これですか。イダイオットです」
それを聞いてアローナとドライクは驚いた。グリュナーは表情1つ変えない。
「驚くのも無理はありません」
Dが言った。
「確かに彼は炎の鬼神に敗れました。しかし、その執念が彼を死の世界から引き戻したのです」
Dの説明で2人は表情を戻すとドライクが言った。
「ケケケ、イダイオットはしぶといですねぇ。それで・・・・これからどうするつもりです?」
「生きているとはいえ、仮死状態ですからね。しばらく安静にしてから強化作業に入ろうと思っています」
「強化作業?」
「あとの楽しみです。」
首をかしげているドライクにDが不敵な笑みを浮かべて言った。



更新日:2010-11-18 09:02:21

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