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第3話 配下

「ククク。まさか、こんなところでお目にかかるとはな……」
 紺色の髪の男はユウヘイを見て笑った。
「どういうことだ?」
 ユウヘイが訊いた。
 「自己紹介が遅れたな。オレの名はゾイナー。『K』の配下だ」
 紺色の髪の男は再びニヤリと笑った。
「配下。貴様が組織の幹部ということか?」
「まぁ、そういうことだ。そして、お前は我らのリーダーが一目置く、存在……」
 ゾイナーはユウヘイを指差した。
「『炎の鬼神』だ!」
 炎の鬼神?
 ユウヘイは聞きなれない言葉に不快感を募らせた。
 そんな名前で呼ばれる理由がわからない。
「おれがお前たち『K』と会うのはこれが初めてだ。お前たちのリーダーとは面識がない。人違いだろ?」
 だが、ゾイナーは大笑いして、ユウヘイの手にする炎の刀を指差した。
「ハハハハ。しかし、お前の操るその炎のキメラが何よりの証拠だ!」
「……」
「しかし、こうも簡単に出会えるとは、おれの組織内の地位も向上間違いなしだな」
「面倒な奴だ……」
 こいつの相手をしているだけ時間の無駄だ。
 そう判断したユウヘイはゾイナーに問いただした。
「そんなことはどうでもいい。お前には聞きたいことがある」
 鋭い視線をゾイナーに向け、手にする刀をさらに強く握りしめる。
 それに対し、ゾイナーはふぅ、とため息をついた。
「まったく、さっきの弱い奴といい、今日は質問攻めが多いな……。だが、答える気はない。どうしても答えてほしいと言うのなら一つ条件がある」
「なんだ?」
 ユウヘイがたずねると、ゾイナーは親指を自分に差して言った。
「オレを倒してみろ!!」
「……」
するとユウヘイは何も言わず、突然、その場から姿を消した。
「なに!!」
 ゾイナーが気づいたときにはもう遅かった。
 一瞬で間合いを詰めたユウヘイの斬撃を浴びて上半身と下半身が真っ二つに斬り裂かれてしまった。
「お前の負けだ」
「それはどうかな?」
「なに!」
 その声に驚いて振り向く。
 ゾイナーがその場に立っていた。
 斬られた上半身と下半身が細い管でつながっている。どうやら血管のようだ
「キメラか……」
 ユウヘイがつぶやくとゾイナーは満足げに笑みを浮かべた。
「これがおれのキメラ『イーズマ』の能力。おれは自分の血を自在に操ることができる。物理攻撃でおれを殺すことはできないぜ」
 ゾイナーが喋り終わると、上半身と下半身が連結してその体が再生した。
 斬撃は効果なしというわけか……
 ユウヘイは再び刀を構えた。

更新日:2011-11-07 21:41:04

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