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小説

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天空都市-鳥人

 天空都市は自然に満ち溢れている。創成期は人工的だっ
た街も、時の流れとともに、動植物の生命にあふれ、実に豊
かになった。その背景には、自然と同化するため、科学者達の、
絶え間ない努力があった。

  各空中都市はその都市内で、ほぼ完全な、自給自足が可
能になっていた。2000年初期の農薬や、添加物などの化学
物質にまみれた、無秩序な食卓。大気汚染による喘息、花粉
症と言われた病。癌と呼ばれた病には、猛毒の化学物質を治
療薬として、使用されていたことなど・・・。
 現代人にはとても、信じることの出来ない、野蛮な時代が、
存在したことを、人々はほとんど忘れかけていた。

 今では科学と自然の融和により、食物から人の病気まで、
的確に、しかも自然に逆らうことなく、その問題点を解決するこ
とが出来る。人々は幸せに暮らし、人類史上、最も高度で、か
つ自然との調和を実現した、時代だと、誰もが自負していた。

 しかし、一部専門家の間で深刻な問題が、囁かれはじめてい
た。それは人々の体に、現れ始めた変化だ。かつて体毛は一本
ずつ生えていたが、最近、枝分かれした、白い体毛が増え、皮
膚もかさついた、鱗状の皮膚の人間が、増えつつあった。あごも
昔の人間に比べると、小さくなっていた。
それはまさに鳥のようであり、人間が鳥人化しているのだとなどと、
ささやく人もあった。

更新日:2010-01-30 15:10:52