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双子弾

 「だ、だ、大丈夫なわけ、無い、だろっ」
 ツナは、驚きすぎて、上手く言葉が言えず、途切れ途切れになっていた。
見た目はツナそっくりなのだが、喋り方や、よく顔を観察すると、超ツナのほうに
そっくりだった。
 「お、ツナが二人」
 がちゃっと、ドアが開く音がしたかと思うと、どこかへ出かけていたのか、
リボーンがそこに立っていた。
 「リボーン!一体どういうことだよ!何でオレが二人もいるんだよ!」
 ツナが、ベッドの上から四つん這いになってリボーンに怒って聞いた。
 超ツナに似ているもう一人のツナは、じっとリボーンを見つめていた。
 「さっき撃った特殊弾だ」
 「さっきって・・・・・・。あの、ジャンニーニが作ったって言う・・・・・・」
 「あぁ、そうだぞ。その弾の名前は『双子弾』と言ってな、撃った相手の
分身が出てくるんだ。まぁ、一週間もすれば元に戻るらしいがな」
 「一週間も?!」
 ツナは叫んだ。ツナはちらっともう一人の自分を見て、俯いた。
 (やっぱり、リボーンたちと絡んでると、ろくな事無いよ。早く一週間過ぎてくれ!!!)
 「・・・・・・兄は、どっちなんだ?」
 もう一人の自分がぼそりと呟いた言葉。
 「え?」
 ツナの目が点になった。
 「双子でも、兄と弟はいる」
 「え、う、うん。そう、だね」
 いきなりこの人は何を言い出すんだろうと思った。そう言っているのは自分なのだが。
 「見た感じ、ツナは弟だな」
 リボーンがツナを指差して言った。
 「は?!何で?!」
 「もう一人のお前の方がボスに向いているからな」
 「何だよ、その理由」
 ツナがほっぺを膨らまして言った。不意にツナの頭に手がポンと乗った感触があった。
バッと横を見ると、それはもう一人の自分で、優しげな顔をして、ツナの頭を撫でていた。
 「え、な、何?」
 「よろしくな、ツナ」
 自分に自分の名前を呼ばれるのに、ツナは違和感を感じた。
 (すっかりこの人、兄ポジション気に入っちゃってるー!)
 違和感を感じたのと同時にツッコミをいれた。
 「あ、あのさ、何て言えば良いのかな?」
 ツナだけもう一人の自分を呼ばないのも悪いと思い、ツナはもう一人の自分に尋ねてみた。
 「・・・・・・ツナヨシ兄さん」
 「え」
 「ツナヨシ兄さんと呼べ」
 「ツナヨシ、兄さん・・・・・・」
 「よし」

 しかし、その後沈黙が続き、リボーンは「台所へ行く」と言って、部屋を
出てしまい、ますます沈黙が続くようになってしまった。
 そんな時、家のインターホンが鳴った。

更新日:2009-12-31 16:57:28

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リボーン ~オレに兄が出来ました~