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夏美2

夏美は、「私は、いちずだ」と言うけれど、
この一年たらずで、数人の男が夏美を迎えにきている。
つき合う期間が短いのか?
全部が彼というわけではないのか?

初めの頃から、裏で待つ同じ男がいた。
他の男は車で店の前で待つという事が多かったが
その男は、裏でタバコを吸いながら、
夏美を待っていた。
寒い日も、暑い日も。雨の日も、風の日も。

車でむかえにくる彼ができると、その男は消え、

また、いつのまにか、その男が、裏でタバコを吸いながら、
夏美を待っている。また、新しい男が迎えに
くるようになると、その男は消え、

また、いつのまにか、その男が、裏でタバコを吸いながら、
夏美を待っている。

夏美に聞くと、友達だそうだ。
俺からみたら、その男のほうが、ずっと「いちず」だ。

俺は、女性の様子で「失恋したな」とか推測できるほど
敏感ではないけれど、その男が現れたら、
『夏美は失恋している』と分かる。

俺が裏口から出入する時、その男は、背中を向ける。

今日は、東京まで麻由美を迎えに行く日。
車を取りに出ると。
寒い雪まじりの雨の中、その男が、裏口に立っていた。

今、夏美は失恋中のようだ。

更新日:2008-11-26 19:45:04

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