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初恋

身体をつないでわかったことがある。

慶太がオレを望んでいたから、
どんな行為も慶太を汚すことはない。

痛みさえも慶太の望みだった。
慶太とオレの関係は変わらなかった。

ただ、大切に寄り添うだけ。

「慶太・・愛している・・。」

慶太の中で慶太の血とオレの精液が混ざった。慶太にオレのものが吸収されるなら・・・本当にオレたちはひとつになれたんだ。
汚すことへの恐れは、ひとつになることの悦びへと変貌していた。

血を流しながら、痛みに耐えながら、慶太は見たこともないほど美しかった。
誰も慶太を穢すことなどできない。

慶太。本当に大切な慶太。



高校の入学式の日。

オレと同じ制服に身を包んだ慶太が、
きらきらした眼でオレに笑いかける。

「すっげー勉強したんだぜ。偏差値高かったからなー。
 悟、びっくりした?」

オレの綺麗な天使。
愛してる。

---end----

更新日:2010-01-06 17:42:11

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