• 7 / 99 ページ

『ガクシャ』と『イカサマ』

子供の頃、読んだ本に『冒険者たち』というのがあります。
多分、『ガンバの冒険』というタイトルでアニメ化もされているので、御存知の方も多いかと思います。(嗚呼、わたしの歳がバレてしまうなぁ~などと、思ったりして)
あらすじを物凄く簡単にしますと、町ネズミのガンバが、港のネズミ達のパーティーに参加していると、傷ついた島ネズミの忠太が現れて、島のネズミがイタチのノロイ達に全滅させられそうになっているので、助けを求めに来ます。熱血漢のガンバはすぐさま助けに行こうとするのですが、ノロイの恐ろしさを知っている他のネズミ達は躊躇って…。でも、なんとか15匹の個性的な仲間達と共に、ノロイ達と戦う…という物語です。
その中で、どうしても未だに忘れられない印象的なシーンがあります。

『ガクシャ』は名前通り、頭の良い博学なネズミです。
仲間達の参謀的な存在です。
一方、『イカサマ』は渡世人(とせいにん)のネズミです。何でもサイコロの目で決める、博打(ばくち)打ちです。
ガンバと共に、島のネズミを助ける事をお互い決心するのですが…。
ガクシャはどちらかと言うと、イカサマを軽蔑している。
でも、イカサマは言います。
「まあ、今にわかるさ。おまえさんが一生懸命考えた結論と、おれのサイコロの結論のどちらが正しいかね。こんどだって、おおかたおまえさんいろいろ考えてここまできたんだろうが、おれはサイコロふっただけだ。結果はごらんのとおり同じだ」
…そのセリフが、ずっと未だに忘れられないのです。
わたしは、そんな飄々とした生き方がしたい! …って、つくづく思うのです。

とっちが良いとか悪いとか、正しいとか正しく無いとか、そういうことじゃなくて。

更新日:2010-01-23 23:02:34

  • Twitter
  • LINE
  • Facebook