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『祝婚歌』

ゆうべ、ラジオを何気に聴いていたら、吉野弘氏の『祝婚歌』を紹介していました。
とても良い詩だと思いましたので、以下に記して於くことに致します。
(ネットで調べたら、どうやら著作権の心配もないようですし…)

『祝婚歌』 吉野 弘
二人が睦まじくいるためには
愚かでいるほうがいい
立派すぎないほうがいい
立派すぎることは
長持ちしないことだと気付いているほうがいい
完璧をめざさないほうがいい
完璧なんて不自然なことだと
うそぶいているほうがいい
二人のうちどちらかが
ふざけているほうがいい
ずっこけているほうがいい
互いに非難することがあっても
非難できる資格が自分にあったかどうか
あとで疑わしくなるほうがいい
正しいことを言うときは
少しひかえめにするほうがいい
正しいことを言うときは
相手を傷つけやすいものだと
気付いているほうがいい
立派でありたいとか
正しくありたいとかいう
無理な緊張には
色目を使わず
ゆったり ゆたかに
光を浴びているほうがいい
健康で 風に吹かれながら
生きていることのなつかしさに
ふと胸が熱くなる
そんな日があってもいい
そして
なぜ胸が熱くなるのか
黙っていても
二人にはわかるのであってほしい


いちおう結婚式の祝辞用なのでしょうが、(夫婦関係に限らず)全ての人間関係に対して言えることだと、わたしは思うのです。

以前、わたしの友人が、職場の人間関係のゴタゴタに疲れたこともあって、当時付き合っていた彼氏と結婚したそうです。
でも、結婚したらしたで、嫁姑問題が…。
確執の末、なんとか(夫と共に)夫の実家を出ても、今度は、子供のお母さん同士の関係に悩んで…。
結局、人間関係からは絶対に逃げられないんだよねぇ~と、本人がそうつくづく語っていたのを、ふと思い出しました。



更新日:2010-02-03 21:31:41

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