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ミッション5 光で包む

昴くんといったん部屋に戻り、お風呂場へと向かった。男風呂、女風呂と別れていて、そこで私たちは別れた。

お風呂に入っていると、あとから葉月ちゃんも入ってきた。けっこう大き目のお風呂なので、余裕で3人くらいは一緒に入ることが出来た。

「昴くん、すごく派動が変わりましたね。驚きました。」

「・・・うん・・・。」

ゆったりと、お風呂に入りながら、少しだけ昴くんに集中してみた。なんとなくエネルギーは感じるものの、やっぱり昴くんの声までは聞こえなかった。

「高い波動の昴くんは、全然出てこないんですか?」

「うん・・・・。出てきてないよ。」

「そうなんですか・・・。」

「葉月ちゃんはこっちの世界で、何をしてるの?」

「私は、普通にフリーターしてます。ただ、精神的に安定していない時期があったようで、カウンセリング受けたりしてて、それでどうやら、ノエルさんと知り合ってたみたいで・・。」

「へえ・・。そうだったんだ。」

「私が、こっちの世界に来たときには、ノエルさんのマンションにいました。流音さんもいて、流音さんは、ヨガのインストラクターしてて、私は流音さんにヨガを習っているみたいです。」

「そう・・・。」

「私たちがこの次元に来るちょっと前に、ノエルさんは目覚めてて、こっちの次元の私たちを自分のマンションに呼んだようです。」

「じゃ、流音さんも、葉月ちゃんもすぐに目覚めることが出来たの?」

「はい。あ・・・、本山に来てからですけどね。こっちに着くと、すぐにノエルさんに本山に連れてきてもらって・・。今朝の朝日で、目覚めることができたんです。」

「悟くんは?」

「悟くんは来る前から、こっちの次元の悟くんと交信してたし、すぐにこっちで目覚めて、昴くんの行動を見守っていたようですよ。」

「そう・・・。」

「悟くんと、心で会話してましたけど、昴くんが星野さんのこと、殺そうとしてたこと聞いて、私、本当に心配して・・・。」

「ごめんね、心配かけて。」

「いえ・・。でも、心配よりも、信頼すること、それが光が出せることだったねって、あとで悟くんと話したんです。悟くんもめずらしく、心配していたようで・・・。」

「・・・・・。うん。だけど、それだけ、私と昴くんのこと思ってくれていたからだよね。ありがとう。」

「いいえ・・・。本当に、良かったです。ほっとしました。これでもう、安心ですね。」

「・・・。まだ、こっちの次元の私の中の負のエネルギーが、浄化されてないんだけどね。」

「あるんですか?」

「うん・・・。父親に対してが、1番強いかな。あと、多分、昴くんのことも怖がってるかもしれない。」

「え?」

「すっかり息を潜めてて、心の奥底からなんとなく感じるだけだけど、時々、恐怖や、怒りを感じるんだ。」

「・・・・・・それは、こっちの星野さんに表面に出てもらうしか・・・。」

「うん・・・。昴くんに浄化してもらうしかないよね・・・。」

「はい、そうですね。でも高い次元の昴くんなら、絶対に大丈夫ですよ。」

「うん・・。私もそう思う。・・・そろそろ出るね。」

と私は言い、湯船からあがった。

髪を乾かし、お風呂場を出て部屋に戻った。

昴くんはもう部屋にいて、ベッドに横になり、うとうとしている様子だったが、私に気がつき目を覚ました。

「あ・・、寝てたの?起こしちゃった?」

「いや・・・、ちょっとうとうとしてただけだから。」

「疲れてるんじゃない?」

「お風呂が気持ちよかったから、なんか、眠くなっちゃって・・・。」

そう言って、目をこすった仕草は、高い波動の昴くんとまったく同じで、可愛かった。

「すんげえ、安心してるからかな・・・。ほっとしちゃってるんだ。」

「そう・・良かった・・・。」

本当に昴くんは、安心しきった子どものような、そんな顔つきをしていた。

更新日:2010-02-26 19:12:19

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