• 13 / 100 ページ

ミッション2 昴くんを守る

苦しくなる、重くなる。どんどん体が冷える・・。闇に覆われ、意識も消えそうになる。

そのとき、昴くんが私を抱きしめ、キスをしてくれた。優しくて、あったかいキスだった。

『愛してるよ。ひかり・・・。愛してる・・・。』

昴くんの声が、フェイドアウトしていく。

フッ・・・・。意識が一瞬途切れた。

ズン・・・。一回、思い切り暗く、重い空間に落とされた気がした。でも、次の瞬間、意識が戻った。

目を開けると、目の前に昴くんがいた。

ああ・・・。良かった。昴くんいる・・・。そのうえ、昴くんはまだ、私にキスをしていた。

なんだ・・、まだ、高い方の次元にいるのか・・・。

と思った次の瞬間、ものすごい冷たいエネルギーが、昴くんから流れ込んだ。

え・・・・?波動が、違う?

それに、思い切り腕を強く、掴まれていた。

辺りを見回すと、そこはノエルさんの部屋じゃなかった。

私は、足をばたばたさせて、抵抗していた。

あ、あれ・・・?私の意志で動いているわけじゃない・・・。

必死で体を動かし、抵抗をしている。でも、上に昴くんが乗っていて、身動きが取れない。

「いや・・・だ・・・。」

私がそう言っても、昴くんは黙っている。

「やめて。」

必死で、泣くのをこらえながら、私が言う。

「お前、もうすぐ結婚するんだろ?」

え?私が?誰と?!

「なんてったっけ?長田建設の息子の名前・・・。徹郎だっけ?」

て、徹郎?

こっちの次元では、私、徹郎とまだ、結婚してないの?

「はは・・。どうするんだろうな、花嫁、誘拐されて。お前の父親も、その徹郎ってやつも。」

「・・・・・。」

私は何も言わずに、体をこわばらせた。

・・・・。ものすごく苦しかった。泣くのを必死にこらえていたが、喉が痛い。

グ・・・・。涙が出そうになる。

私は横を向いた。涙が頬をつたった。

悲しい。苦しい。色んな感情が交差する。こっちの次元の私の心を、そのまま、感じてみた。

・・・・お父さんが、どうして・・・・。

自分の父親のしたことを、信じられなかった。ワンマンで、自分のことも、支配してきた父親だった。でも、昴くんのお父さんを死に追いやるようなことをしたなんて・・・。

まだ、私の頭の中は混乱していた。

怖さと、申し訳なさと、父のしたことをまだ受け入れられない気持ちと・・・。

そのとき、携帯が鳴った。昴くんは、ベッドから降りて、横にあったテーブルの上の携帯を取った。

「もしもし・・・。」

昴くんは、すごく低い声で電話に出た。

「いろいろ準備してくれて、ありがとうございます。・・・え?・・はい。そうですよ。いますよ。ここに。まだ、生きてますけど・・・。」

ゾク・・・。昴くんから黒い霧が出る。こっちの次元の私は、それを肌で感じ、ものすごく怯えている。今なら、ベッドから跳ね起きて、逃げられるか・・・。

窓は一箇所。ドアの前に昴くんが立っていて、ドアからは出れないかもしれない。

そっと、ベッドから起き上がろうとした。でも、なかなか体が思うように動かない。硬直しているし、部屋が寒いので、かじかんでもいる。

ドカ!

私が動こうとしてるのを昴くんが見て、私の横に座り込み、私を押さえ込んだ。

「逃げようって思っても、無理だからな。ここは、山の中で、回りに家もない。助けを呼んでも誰も来ないし、車もない。」

昴くんは、冷たい口調でそう言った。それからまた、携帯を耳に当てた。

「悟さんに迷惑はかけません。ほっといてくれてかまわないです。」

悟くん・・?電話の相手は悟くんなの?

更新日:2009-12-08 21:22:52

  • Twitter
  • LINE
  • Facebook