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ライジングロード

先代の王が廃れ
退廃した乱世に
立ち上がる若者
神に愛された者
持ち上げた剣に
持ち上げた杖に
持ち上げた誇りに
今、ここに誓おう
囀る小鳥の無い時代
日溜まりで笑え無い時代
涙に地が濡れない日の無い時代
掲げた各々
武具に誓う
騎士道に誓う
魔道に誓う
絞られた思考は
一筋の紅い光になる
たぶん、などそんな曖昧なものじゃなく
誰もが意識のなかに芽生える
確かな感覚
従う者は誰なのか
簡単な感覚だった
紅い燃える炎となって
胸に宿った心に聞くといい
若者たちは小さなレジスタンスになった
選ばれし者達は
器さえ有れど世がさせなかった
名も無き王達
束ねる絶対的な王
それから毎日血の雨が降る
忘れられた平和を手に入れるために
皆は皆それぞれの葛藤を秘め
暴力と言う解決策の無い行為を続けた
そして三月も経たぬ内に
影で呼ばれはじめる
レジスタンスの名は
女神
刻まれる名は
偽りの色もなく英霊
戦乙女の名の元に
神と崇められた
突破口を開き
精鋭を束ねる王は
小柄な少女だった
斧を持った男が話しかける「これからどうする」
「…」
昼を過ぎた頃山あいの村に泊まることにした一行は酒場にいた
「貴様が従うべき者なのはわかっているが、どうも、なぁ?」
脇にいた細身の短刀を四本腰にぶら下げている男に投げ掛けた
「いや、俺はいいとおもいうよ、悪くないと思う」
フードを目深にかぶり杖を手に小石を浮かべている女がいた、実際女とは声を聞くまでわからない
「…戦勝は十割、彼女は負けない、私達がいて、彼女がいるなら、負けることはない」
斧を持った男は腕を組んで首をかしげる
「うーん」
まわりには弓を持った双子や
長い刀を持った異国の者
すると槍を持つ男が近付く
膝をつき発した言葉は簡潔だった
「王よ、我になんなりとご命令を」
それを見て
ぞろぞろと膝をつき
斧を持った男と小石を浮かべている女以外が膝をついた
その先にいる
いかにもつまらなそうに考えている者に対して
『王よ、我々になんなりとご命令を』
声を合わせて言う
鎧が擦れる音がする
向き直り少女の口角が薄くあがる
「…、ふっ君たちは本当に面白いよ」
斧を持った男は怪訝な顔で見ている
「まずに私は今まで勝ってきた、君たちが居たからだ、例え私が居なくとも勝っていただろう」
皆は驚く顔をした
「まぁ無理はない、君達は特別視するのは解る、なんせ君達の心には何らかの意図的意味を込めて私が王だと刷り込まれている」
皆は物音もたてずに静かに少女の顔を見ている
「簡単に言ってしまえば普通の、女なのだ、私は」
数人の眉間に皺が寄る
どう思っているかはわからないがつまりはそういう事だ
「普通と言うのは違うかもしれないが、ちょっと人より運がいい、これが神に愛された者と言うことだろう」
組んでいた足を直し前のめりになり話す
「私に考えがある統治した国で君達が政治をやるのだ、あぁ全てを手に入れるまで私は戦線で戦おう」
槍を持つ男が話し掛ける
「それでは…」
「なぁに、人より運がいいんだ、死にはしないよ、自分が望まないかぎりね」
槍を持つ男と斧を持った男双子の弓使い、杖を持った女、異国の者
簡潔に纏められた指揮系統と
中隊規模を個々で動かし
統一は半年もかからなかった
少女はかすり傷ひとつ付かずに
無駄な戦闘は避け話し合いで事をすませていた
そして統一に必要な事
王が出した答え
――――。

更新日:2009-11-24 17:35:54

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