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第八章 蒼く散る華

■ ■ ■ ■ ■

 二日後。朝。
 朝食を摂った後、パチュリーと社はすぐに図書館で待機していた。理由は言うまでもなく、この図書館にたびたび出入りする泥棒まがい、霧雨魔理沙を待ち構えるためだ。ほぼ確実に荒事になるため、小悪魔は館の方に避難している。
「で、肝心の魔理沙は来るんだろうな」
「ええ。ここのところは朝食後しばらくくらいが目安ね。昨日ももう少し経った頃だったわ」
「ふーん。それで、とりあえず魔理沙を撃退するんだよな?」
 社がパチュリーに問う。対する彼女は、机の上に何冊かの本を広げつつ、社の方を振り向かずに答えた。
「いいえ、違うわ」
「あ、あれ?」
 思わず呻く社に、パチュリーは、
「撃退でなく、魔理沙を捕えるの。決して逃がしてはだめよ」
 と言った。社はしばらく口を閉ざしていたが、しばらくしてぽつりとこぼす。
「……別にわざわざ捕まえなくても、魔理沙なら毎日会いに来てくれるんじゃないの?」
「なっ!?」
 その言葉に、パチュリーは弾かれたように社に向き直った。
「ちょ、別に私は変な目的じゃなくて、ただ魔理沙がもう悪さをできないようにするために……!」
「そーかそーか、じゃあトラウマになりそうな負かし方をして、二度とここに来る気をなくせばいいんじゃない?」
「そ、それじゃ駄目なの!」
「……魔法使いが本心を偽るのはどーなんだ?」
「そんなのは形式上……じゃなくて、偽ってなんかないわよ!」
 意地悪く笑う社に、パチュリーは普段の冷然な態度を完全に崩し、赤い顔で社に食ってかかる。
「とにかくっ、何がなんでも魔理沙を捕まえるの! 分かった!?」
「分かった分かった、そんな興奮するなよ」
 パチュリーを宥めつつ、社はそう言った。何とか落ち着きを取り戻したパチュリーは、肩で息をしつつ社に問いかける。
「……それで、ちゃんと戦う準備はできてるの?」
「ああ、一応スペルカードもものにはなったしな。それにこっちも」
 パチュリーにそう答えつつ、社はその手に一振りの刀を生みだした。

更新日:2009-12-23 18:32:22

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