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4.漣

 あっと言う間に終わった夏は、あまりいつもと変わらぬ夏だった。
 ゆきと二人で1度だけ伊豆へ日帰りで行き、あとは恒例の、
家族での2泊3日のこれまた伊豆旅行だけで、あとは部活と
図書室通いだ。
 ゆきとの騒動の後、一度増山からメールが来て凄くドキドキ
した理子だったが、内容は東大のオープンキャンパスへ行くように、
との事だけだった。
 増山に言われて、理子は東大のオープンキャンパスへ行って
みた。自分が思っていたイメージとは随分違っていた事に驚き、
ここで勉強してみたいという思いが高まった。だがしかし、そうは
言っても矢張り天下の東大である。厳しい道のりである事は
容易に想像がつく。自分にできるのだろうか?そう思わずには
いられない。
 そういった自分の気持ちを増山にメールしてみた。増山からは、
“そう思うなら挑戦してみろ。応援するから”との返事がきた。
その道を通ってきた先生が応援してくれるなら、心強い。
以前も言われたが、要はやりきれるかどうか、なんだろう。
駄目元でやってみるか。やって損は無い事だ。
 こうして理子は、この夏、東大受験を決意したのだった。

更新日:2010-07-18 00:24:25

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