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佐々木准教授の溜息

アイ「と、言うわけで私についてくる人は?」
広場に置かれたテーブルを盛大に叩いたアイは俺の顔を見る
腕を組んでつまらなそうに見上げている俺に変わって壱が話しかける
壱「その話なんですが。内容が全くわからないので主語をお願いします?」
笹蒲はつまらなそうに花壇に腰をかけこっちを見ている
アイ「簡単に言うと古泉くん?」
壱「…はっは~ん」
そう言うと壱はこちらを見る
俺は寒気を感じてすまんすまんと言って席を離れる
壱もまってくださいよーと棒読みでついていく
アイ「あ…、ま、まぁいいわ、笹蒲いくわよ」
笹蒲は首を振る
笹「忙しい」
アイ「間違えたわ、有希、行くわよ」
笹蒲の耳がぴくりと動きやる気満々感を出しながら小さく頷いた
笹「何をするの?」
歩きながらアイに訪ねる
アイ「簡単に言うとフラグ回収ね。」
首を傾げる笹蒲にアイは言う
アイ「まぁ関係ないわ、さぁ着いたわここよ」
研究棟の一階、一番奥の部屋の前に書かれた文字
『プラレールラボ』
笹蒲はまた首を傾げる
アイ「既製の商品について研究してどうするのよ、それは就職してからすればい
いのよ。応用としてプラレールを使うことはあってもプラレールの研究って何を
やってるのよ」
言われたい放題
後ろから付いて来た俺と壱はそこから傍観する事にした
アイと笹蒲は部屋に入る
アイ「調べたら1人しかこのラボを使っていないわ。それが…」
奥で楽しそうにプラレールを組んでいる人物
アイ「佐々木よ」
指さした先にはなぜか新幹線を空中でキーンと言う効果音とともに旋回させてい

こちらには気がついていないみたいだった
部屋はプラレール意外何もなかった
アイ「この部室は今日から私達がいただくわ」
さすがに気がついた佐々木がこちらに顔を上げる
佐々木の目の前には神の力が宿った人、現存する最強兵器が立っていた
強張った顔をしてこちらを見ている
遊んでいた手は止まり
なかなか困った顔をしている
アイ「だから勝負よ!」
その言葉を聞いて明らかに震える佐々木
目に当たるプラレールを掴み首を振りながら部屋を出て行く
指さしたアイだけが悪者みたいに残ってしまった
アイ「…。ま、まぁ結果的に勝ったわ」
笹蒲に振り返るが少し考えたようにプラレールを箱にしまい出した
走り抜ける佐々木が柱の陰の俺と壱の前を通り過ぎる
俺「なぁ壱今の佐々木」
壱「泣いてたように見受けられましたね」
ため息気味に笑い合う二人
俺「追うぞ」
壱「かしこまりましたマスター」
結局部室の二人はプラレールを片付け雑巾かけをしたり掃除が始まっていた
俺「佐々木はどっちに行った」
壱「こっちです」
意外に早い佐々木の走る速さに驚きながら的確にプラレールを落としていく
そして結局教授のラボに戻っていった
扉は開けたままだった
中を見ると佐々木が角で静かに遊んでいた
俺「なんかかなり悲しい感じだな」
壱「こう考えるとアイ様はだいぶ酷い事したように思えますね」
その奥には佐々木を気にしていない様子で教授が仕事をしている
冷たいわけではない、それが彼の普通だった
俺「壱、下を見にいって来てくれ」
そう言って握っていたプラレールを渡す
壱「かしこまりました」
壱はゆっくりと後にする
ずいぶんと久しぶりだな
この三人になるのは
後ろ手に扉閉める
少し大きめな音を立てたので二人は振り向いた
佐々木はゆっくりと視線を戻し一人遊びに戻った
教授は俺に興味があるのか座り直しこちらを見続けている
俺「悪いが教授には用がない」
何かを言いかけた教授の中途半端に開いた口を無視して佐々木の前に立つ
俺「なんか悪いことをしたな、なんだ?その…部屋を間借りしたいんだ」
佐々木はやっとこちらを見る
佐「曲がり?」
腕をぐにゃぐにゃと動かす佐々木だ、この漢字変換に間違いはないだろう
俺「相部屋」
佐「あいべや」
意味が分からないのか頷く佐々木
どうしたもんかと考えたが結論を行った方が早い
俺「なんだ?そのおもちゃ」
佐「プラレール」
俺「そ、そのプラレールをだな、変わらずに部屋に有るからな、そんで、俺たち
にもあの部屋を使わせてくれ」
佐々木は理解したように頷いた、もう正直こいつがわからないからこれぐらいで
いいだろう

更新日:2010-03-22 02:40:53

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