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閉鎖空間。その2

俺「あれ?」
壱「あれ、じゃないですよマスター。事態は深刻です、時間がありません急ぎま
しょう」
手を取り立たすと早足で校庭まで先導する
俺「何でお前居るんだよ」
ついでに佐々木を殴ったが、とりあえず壱への説教は後だ
事態は予想以上に深刻だった
歪んだ空間は地面をめくり上げ、空には黒い穴がぽっかり空いていた
そこに二つの影
それは知っている
アイと椿だ
壱「一刻も早く」
手を引く壱
これはいよいよやばくなってきたという事か
俺「それで?」
壱「それは…」
笹蒲が俺の上着の裾を引っ張った
俺「なんだ?」
笹「スリーピングビューティー」
俺「!?」
驚いた
てっきり否定的だと思っていた
壱は困ったように、笹蒲は少し悲しそうに俺を見る
やめてくれよ、ホントになっちまうじゃないか
首を振る
やっぱりか
壱「こればかりは申し訳ございません」
俺「いいよ、壱のせいじゃない」
首を振り一歩進める
袖を離さない笹蒲
俺「こら、進めないだろ」
頭に手を置き笑うとうなだれた様子で手を離す
笹蒲なりに嫌がったのだろう
俺「じゃあ、さっさと帰ろう」
そう言うと二人は力強く頷く
なんかそれだけで勇気をもらえた
ずんずんと前にでてアイの前に立つ
アイ「なに?」
俺「あ…何だ?この世界より元の世界の方が俺はいいと思うんだ」
アイ「そうかしら?」
俺はアイの両肩を抱いた
俺「お前が居る。元の世界が好きなんだ」
そう言うと抱き寄せ優しく唇が重なる
アイは何かを言おうとしたが、それは唇によって遮られた
柔らかで暖かい感覚が口に伝わる
他の皮膚とはちがい優しく二人は目を閉じた
世界はこれで戻るのだ
そう思っていると
まだ感覚がある
え?
長いな
俺の肩を背中から添えたアイの手に力が入る
アイ「…!!」
俺はアイに突き飛ばされるようにしりもちを付く
アイ「あ、あんたね!長いのよ!私を殺す気?」
大股で口を拭う様は血に飢えた野獣の様だった
あぁ、B級ホラー映画のね
俺「あれ…」
そう言うと首根を掴まれ引きずられる
顔に液体がかかる
かけているのはどうやら壱だ
壱「これは消毒液ですから、ご安心を」
溺れるかと思う勢いでかけられると。その後手にはガーゼのようないかにも清潔
そうな布が握られていた
壱「汚いものに触れましたからね」
強めに唇を擦られ、その間にすこし考えるが、考えられる状況じゃない事に気づ
き壱にタップする
俺「ちょ、壱、もういいから」
壱「そうですかマスター」
その二人の姿にイライラしながら向かってくるのはアイだ
アイ「汚いとはどういう事よ」
壱「おっと、口が滑りましたね」
デコに手を当てる壱は全く反省していないようだった
俺「それよりアイ、なんで戻らない」
その言葉にアイが反応する
アイ「わからないわ、ここに干渉してるのが私でないって事がわかったわ」
アイはキスされたのにさほど気にした様子はない
アイ「あぁ?気にしてるわよ」
訂正・気にしているようだ

更新日:2010-03-22 02:40:03

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