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『答えられそうで答えられない語源』  出口宗和

 よくコンビニなどに、ワンコインで買える雑学の本があります。この本はそういう類の本で、文庫版より大きめのB6版で印刷された厚めの本です。正直、全部読みきる自身はなく、ところどころ気が向いたら読もうという感じで、時々眺めるに止まっています。

 面白いところでは、“3時のおやつ”の語源があります。
 CMで有名な「3時のおやつは○○堂」が語源ではなく、おやつとは、江戸時代の時刻で八つのことだそうです。一日二食だった江戸時代に、昼抜きのため3時ごろお腹がすき、間食したのが始まりだそうです。

 他にも、マーボードウフの意外な由来とか、すっぱ抜くの『すっぱ』とはとか、『おおわらわ』を漢字で書くとなど、知っているとちょっと面白い雑学がいろいろ載っています。

 さて、今回は、巻末に記載されている『藤がつく名前が多い理由』を取り上げます。私は残念ながら藤の字がつく名前ではありませんが、おそらくこのサイト内にも何人かいらっしゃることでしょう。



――日本で最も多い姓は「佐藤さん」。次いで鈴木、田中、渡辺、高橋などが続く(順不同)。そのほかに斎藤、伊藤、後藤、工藤、近藤、加藤、遠藤さん。これ、みんな「藤」がつく。つまり出が「藤原氏」なのだ。
 平安時代から藤原氏は全国に役人を派遣したが、それらの地に藤原だけではわかりにくいから伊豆、伊勢の藤原で、「伊藤」。近江の藤原で、「近藤」。加賀は「加藤」。安芸は「安藤」。遠江(とおとうみ)の遠藤といった具合に名乗った。また役職で斎宮職の藤原で「斎藤」。近衛職の藤原で「近藤」。木工職の藤原で「工藤」さん。そして佐藤さんは、左右衛門職の藤原であったり、佐野(栃木)の荘の藤原であったりする。なかには名門同士の結婚で、阿(安)倍氏と藤原氏で「安藤」というのもある。
 ともかく、日本全国藤原氏なのだ。これを「馬の糞」(どこにでもある)というが、ちなみに佐藤さんと一、二を争う鈴木さんは、もともと神主さん。それも熊野三社の。この神主さんが全国に出かけ、熊野信仰(五穀豊穣を願う)を広めたため。稲穂の神だから、どこでも受け入れられたわけだ。



 昔は藤原さんばっかりだったのですねぇ。それが今では佐藤さんの方が多いと言うのも、なんだか不思議な気がします。

 ちなみに、佐藤さんの語源である遠江国(とおとうみのくに)とは、現在の静岡県の大井川西部の辺りにあった律令国の名前だそうです。
 それから、左右衛門尉はご存知遠山の金さんの役職ですね。左右衛門府は現在で言うところの裁判所のようです。

 ちょっとした雑学の時間でした。


更新日:2010-12-16 11:21:17

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