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谷崎潤一郎の「文章讀本」

 文学賞と言えば、芥川賞、直木賞などがありますが、谷崎潤一郎賞は1965年に中央公論社が創業80周年を機に、作家谷崎潤一郎にちなんで設けた文学賞です。
 谷崎作品には、「細雪」、「痴人の愛」などがあり、耽美主義とされる作風と装飾的かつ端麗な文章で書かれており、それまでの私小説中心だった文学界に一石を投じました。

 その谷崎潤一郎の著書で、「文章讀本」という本があります。この本は、特に文章を書くことを専門の仕事にしている人に向けて書かれたものではなく、出来るだけ多くの人に読んでもらうことを目的に書かれた本です。それでも、昭和九年に書かれた文体は、旧仮名遣いや古典など難しい文章もありますが、それほど難しくない部分を抜き出して紹介したいと思います。

 
――現代の文章の書き方は、あまり読者に親切すぎるようであります。実はもう少し不親切に書いて、あとを読者の理解力に一任した方が効果があるのであります。

 これは、谷崎がこの本で一貫して述べている、一番重要な理論です。以下、具体的にどこがどう悪い文であるか述べています。

更新日:2010-05-07 11:11:46

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