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名作書き写し文章術

 このエッセイの冒頭で、ミステリー作家の志水辰夫や井上夢人が若いころ、文章修行として「名作を書き写す」という作業をしていることに触れました。この作業は、結構実践している人が多いようなのですが、そのやり方にまで触れている本というのは少ないのではないでしょうか。

 高橋フミアキ著の「超簡単・名作書き写し文章術」は、そのやり方に触れ、どんなに文章を書くのが苦手な人でも1日10分書き写すことを継続すれば簡単に上達すると言い切っている本です。

 書き写す文章は、芥川龍之介の「トロッコ」、「蜘蛛の糸」、宮沢賢治の「雨ニモ負ケズ」、アンデスセン・菊池寛訳「みにくいアヒルの子」などです。

 たとえば「トロッコ」では3つのパートに分かれていて、最後のパートには、


――余韻を残して終わる

 文章の終わり方は誰もが悩むところです。言いたいメッセージを書いてサッサと終わればいいのですが、余韻をもたせた終わり方をすることで、読み手はそこに込められたメッセージを深く受け止めるようになります。
 この作品は次のように終わっています。

「塵労に疲れた彼の前には今でもやはりその時のように、薄暗い藪や坂のあるみちが、細々と一すじ断続している」

 素晴らしいエンディングだと思います。


というポイントが書かれています。そのポイントを参考にしながら、書き写す文章が掲載されているので、名文のどこを学ぶのか確認しながら書き写すことができます。

 実際にこの勉強法で、文章を書くことが苦手だった多くの方が、原稿用紙を前にしてスラスラと書けるようになったそうです。

 私も今日からやってみようと思います。

更新日:2010-01-30 09:52:41

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