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座右のゲーテ 壁に突き当たったとき開く本

 また、齋藤孝さんです。
 今度は、「座右のゲーテ 壁に突き当たったとき開く本」と言うタイトルの本です。

《東大法学部卒業》という立派な経歴を持つ齋藤さんですが、やはり人の子、人生で何度か挫折をしておられます。学生時代、《なぜ勉強をしなくてはならないのか》という哲学的な疑問をいだき、それに時間を費やしすぎたために問題集をやる暇がなく、受験に失敗したそうです。

 本末転倒ですね。

 それでも無事大学を卒業し、社会人になってから、再び挫折されています。
 研究者として歩み始めた二十代のころ、本質的なものを求めるあまり、抽象的思考にはまり込んでしまい、身動きが取れない状況に陥っていたそうです。学生時代と同じですね。
 負のスパイラル。
 そういう、どん底の時に出会ったのがゲーテで、

「人間が自分に与えることのできるもっともおどろくべき教義は、他の人たちは自分のことなど求めてはいない、という確信である」

という言葉が目に飛び込んできたそうです。齋藤さんならずとも耳が痛くなりそうな言葉ですが、そのときの齋藤さんにとっては、正しく、感動を持って受け止められる言葉だったようです。


 ゲーテは、「ファウスト」や「若きウエルテルの悩み」などを執筆した作家ですが、小説だけではなく、詩も書き、脚本、演出、科学や政治にまで活動の幅を広げ、82歳まで生涯恋愛を楽しんだという、すごい方だそうです。

 どのくらいすごいのか、齋藤さんの本を少し引用してみようと思います。

更新日:2009-11-12 11:16:42

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