- 16 / 54 ページ
初粛正〜後編
『……はい?』
体が包帯でグルグル巻になっているミイラ男がなにかに疑問系で答える
『だから明日はお前が粛正するんだよ』
『やったね川村キュン♪大抜擢だよ〜☆』
『……』
『………』
『………はい?』
このやり取りは2度目
『おい!だれか聖水持ってこーーーい!このミイラ男をこの世から消す!』
当然周防はこの手のやり取りは大嫌いだ
『…聖水はない……グフ……』
いつぞやのオタク系陰湿眼鏡がいつの間にか会議に参加している
『あの、なんで俺が抜擢されるんですか?まだ入って日が浅いのに』
やっと頭が追いついたようだ
『昨日のお前の様子を見て俺が独断で判断した』
『いつも独断だけどね』
本を読みながら利香様がそれとなく補完する
『お前は昨日の黒沢さんを見て今までの虐めに対する解釈を改めたんだろう?』
『うっ…』
コイツ気づいていたのか
川村の心境は周防には丸分かりだったようだ
『怒りが湧き、黒沢さんを助けたいと思ったんだろ?ならお前が助けてみせろ。そのサポートは俺らが徹底的にやってやる』
周防の言葉が今日ばかりは頼もしく聞こえる
『お…俺が助ける……?』
フッと貞子のあの笑顔が頭に浮かぶ
そして、委員会全員の視線が川村に、いや川村の発する言葉に向く
数秒の沈黙が流れ
ゆっくりと静かな口調で川村が答えをだした
『…わ…わかった…やってみるよ…なにもしなかったらこのムヤムヤは取れそうにないし。そして何より貞子を助けてあげたい』
その答えに皆が笑みを浮かべる
『そうか。本当にやるんだな?』
笑みを浮かべながらもう一度聞いてくる周防
『なんだよ。俺はやるって言ったらやる男だぞ』
『二言はないな?』
もっと笑みを浮かべてしつこく確認してくる
なんだコイツ気持ち悪いな…
『な、ないよ。ていうかなんでそんなに確認してくるんだよ!』
言った瞬間周防の顔がさらに満面の笑みを浮かべる
『いやーそうかそうか!それは良かった〜!ほんとどうしようかと思ってたんだよ』
『へ?』
『本当に良かったね〜スオっちゃん♪』
『……御愁傷様……グフ…』
『川村殿、男らしいですぞ』
『あら、かわいそうに』
各々が一斉に口を開いて理解できないこと言う
え?
な、なんだ
この歓喜と哀れむ目は…
ブワっと川村の背中に冷たい物が流れだす
『あの〜そんなに悩んでいた理由を聞かせて頂けますか?』
希望があると信じて冷静を装いながら聞いてみる
『ん?あぁ言い忘れてたけど明日の粛正相手はヤクザの娘さんだ』
……
………
…………
『え?何座の娘だって?』
『星座は獅子座みたいだな』
『よかった〜獅子座の娘かぁ。俺と一緒だなぁ〜今日の占いじゃ一位だぞ。』
『良かったね〜☆ヤクザの娘さんと星座同じで♪』
『……』
『……』
パラパラ
っと利香さんのページをめくる音だけが教室に響き渡る
『…な……』
『………なんで現実に戻すんですかぁぁぁ〜〜!!!せっかく現実逃避してたのに!!!ていうか周防テメェェェェ騙しやがったなぁ!!!俺の為みたいに言っておいて全部自分の為じゃねぇーか!!俺はゼッテェやんねぇからな!あぁ!もうゼッテェやんねぇ!!!』
そう言いながら荷物をもってドシドシと教室を出ようとする川村
『どこにいくんだ?』
笑みを浮かべながら周防は訪ねる
『帰るんだよ!ヤクザの娘なんか知るかバーカ!』
怒り心頭の川村は振り返り周防に強気な言葉を投げる
『そうか…残念だ』
お、珍しくあっさりと諦めてくれたみたいだな
『おう、そう言う事だから諦め…』
『確保』
遮るように冷たい言葉が投げ返された
と同時に川村以外の委員会の面々が一斉に襲いかかる
『うおぉぉぉぉ!!こえぇぇぇぇ!!!』
必死に廊下に飛び出て逃げる川村!!
『待てこらぁぁ!!!』
すかさず追いかける凛さん
『なんで凛さんブラックモードになってるんだぁぁぁ!!』
疑問を抱えながら走る川村!
『キンコンカンコーン』
こんなときになんで校内アナウンス!?
『凛さんは自分でモードを切り替えれるんだよ』
その声は周防かぁぁ!!
ていうか、そしたら今までの全部凛さんのさじ加減一つだったって事じゃないかぁぁ
アナウンスは続く
『今回川村を捕まえた者には購買で大人気のカツサンド一週間無料券をプレゼントだ!!以上武運を祈る!』
なにぃぃいぃぃ!!!
俺のカツサンドをこんな事に使いやがって!!
『うぉぉぉぉぉぉーーーーー』
旧校舎の各地でものすごいやる気の声が地鳴りのように響く
みんなやる気だぁぁぁ……
体が包帯でグルグル巻になっているミイラ男がなにかに疑問系で答える
『だから明日はお前が粛正するんだよ』
『やったね川村キュン♪大抜擢だよ〜☆』
『……』
『………』
『………はい?』
このやり取りは2度目
『おい!だれか聖水持ってこーーーい!このミイラ男をこの世から消す!』
当然周防はこの手のやり取りは大嫌いだ
『…聖水はない……グフ……』
いつぞやのオタク系陰湿眼鏡がいつの間にか会議に参加している
『あの、なんで俺が抜擢されるんですか?まだ入って日が浅いのに』
やっと頭が追いついたようだ
『昨日のお前の様子を見て俺が独断で判断した』
『いつも独断だけどね』
本を読みながら利香様がそれとなく補完する
『お前は昨日の黒沢さんを見て今までの虐めに対する解釈を改めたんだろう?』
『うっ…』
コイツ気づいていたのか
川村の心境は周防には丸分かりだったようだ
『怒りが湧き、黒沢さんを助けたいと思ったんだろ?ならお前が助けてみせろ。そのサポートは俺らが徹底的にやってやる』
周防の言葉が今日ばかりは頼もしく聞こえる
『お…俺が助ける……?』
フッと貞子のあの笑顔が頭に浮かぶ
そして、委員会全員の視線が川村に、いや川村の発する言葉に向く
数秒の沈黙が流れ
ゆっくりと静かな口調で川村が答えをだした
『…わ…わかった…やってみるよ…なにもしなかったらこのムヤムヤは取れそうにないし。そして何より貞子を助けてあげたい』
その答えに皆が笑みを浮かべる
『そうか。本当にやるんだな?』
笑みを浮かべながらもう一度聞いてくる周防
『なんだよ。俺はやるって言ったらやる男だぞ』
『二言はないな?』
もっと笑みを浮かべてしつこく確認してくる
なんだコイツ気持ち悪いな…
『な、ないよ。ていうかなんでそんなに確認してくるんだよ!』
言った瞬間周防の顔がさらに満面の笑みを浮かべる
『いやーそうかそうか!それは良かった〜!ほんとどうしようかと思ってたんだよ』
『へ?』
『本当に良かったね〜スオっちゃん♪』
『……御愁傷様……グフ…』
『川村殿、男らしいですぞ』
『あら、かわいそうに』
各々が一斉に口を開いて理解できないこと言う
え?
な、なんだ
この歓喜と哀れむ目は…
ブワっと川村の背中に冷たい物が流れだす
『あの〜そんなに悩んでいた理由を聞かせて頂けますか?』
希望があると信じて冷静を装いながら聞いてみる
『ん?あぁ言い忘れてたけど明日の粛正相手はヤクザの娘さんだ』
……
………
…………
『え?何座の娘だって?』
『星座は獅子座みたいだな』
『よかった〜獅子座の娘かぁ。俺と一緒だなぁ〜今日の占いじゃ一位だぞ。』
『良かったね〜☆ヤクザの娘さんと星座同じで♪』
『……』
『……』
パラパラ
っと利香さんのページをめくる音だけが教室に響き渡る
『…な……』
『………なんで現実に戻すんですかぁぁぁ〜〜!!!せっかく現実逃避してたのに!!!ていうか周防テメェェェェ騙しやがったなぁ!!!俺の為みたいに言っておいて全部自分の為じゃねぇーか!!俺はゼッテェやんねぇからな!あぁ!もうゼッテェやんねぇ!!!』
そう言いながら荷物をもってドシドシと教室を出ようとする川村
『どこにいくんだ?』
笑みを浮かべながら周防は訪ねる
『帰るんだよ!ヤクザの娘なんか知るかバーカ!』
怒り心頭の川村は振り返り周防に強気な言葉を投げる
『そうか…残念だ』
お、珍しくあっさりと諦めてくれたみたいだな
『おう、そう言う事だから諦め…』
『確保』
遮るように冷たい言葉が投げ返された
と同時に川村以外の委員会の面々が一斉に襲いかかる
『うおぉぉぉぉ!!こえぇぇぇぇ!!!』
必死に廊下に飛び出て逃げる川村!!
『待てこらぁぁ!!!』
すかさず追いかける凛さん
『なんで凛さんブラックモードになってるんだぁぁぁ!!』
疑問を抱えながら走る川村!
『キンコンカンコーン』
こんなときになんで校内アナウンス!?
『凛さんは自分でモードを切り替えれるんだよ』
その声は周防かぁぁ!!
ていうか、そしたら今までの全部凛さんのさじ加減一つだったって事じゃないかぁぁ
アナウンスは続く
『今回川村を捕まえた者には購買で大人気のカツサンド一週間無料券をプレゼントだ!!以上武運を祈る!』
なにぃぃいぃぃ!!!
俺のカツサンドをこんな事に使いやがって!!
『うぉぉぉぉぉぉーーーーー』
旧校舎の各地でものすごいやる気の声が地鳴りのように響く
みんなやる気だぁぁぁ……
更新日:2009-11-06 16:14:54