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現実世界

ラインの死、まさにそれはスイッチだった
俺が、本来の使命を思い出す為のスイッチだった
俺の本当の両親と、育ての親であるレイスを殺したスペンサーの娘・・・か。
よりにもよって、そんな女に情を持ってしまった
しかも、この手で殺してしまった
代わりに、使命を思い出した・・・はぁ、思い出したくなかったな。
でも、もう後には退けないんだ。この世界の住人を、全て殺さない限り、俺は・・・救われない
そんな時、泣きじゃくる少年を見つけた。彼はどんな悲しみを背負ったのだろうか
「どうして、泣いてるんだ?」
「うぇ、ひっく、お母さんが・・・僕の玩具を・・・えっぐ、捨てちゃったんだ・・・うぐっ」
「絶望したか?」
「うん・・・だって、だって、あの玩具は・・・」

タンッ―!

俺は少年に向けて、無慈悲な一発を加え、殺した
「生まれた世界を恨むんだな」
もう、何も感じない。こんな少年を手にかけても、何も・・・
「いやぁぁぁぁ!あなた!うちの子供になにを―!」

タンッ―!

母親、だろうか。彼女が言い終わる前に銃弾を浴びせる
「悪いな」
もう、そんな心の全く篭らない謝罪を口にするしかできない。
いや、ここまでくれば悪態だな。俺は、もう止まれないんだ。
その一部始終を見ていた人により、町は喧騒に包まれる
人殺し、悪魔、この野郎、罵声が飛び交う
そして、それは全て俺に向けられて発せられている
せいぜい騒げ、すぐに喋れなくしてやるから―!

数十分後、その町から人の声は途絶えた・・・

これでいいんだろう?神様よう?
自分の使命を思い出したついでに、正体さえも分かってしまった
滑稽な話だな。死神が、人間に・・・するなんてよ。

俺は、雇い主の場所へと向かった。
勿論、復讐なんて名目じゃない。報酬金の受け取りでもない。
ただ、奴が人間である以上、殺すために向かうのだ。

2日後、俺は男の会社の前に立つ
それまでの道で殺した人間は既に3桁を超えていた。

更新日:2009-10-26 12:55:30

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