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1日目
茅野湯弦(カヤノユヅル)は、人生で最も幸せな日々を送っていた。
苦労したけど、希望の大学にも入れた。
美世子(ミヨコ)という彼女も出来た。
友達も沢山いる。
そして、やっと親から離れて一人暮らしができた。
例えるなら、この少し曇った空の隙間から差し込む光のような、そんな希望に溢れた日々。
幸せの絶頂期、そんな感じも彼はしていた。
だが、長くは続かなかった。
何て事は無い、彼女とただの痴話喧嘩。
原因は、お味噌汁の具について。
誰もいない海の見える高台の展望の上で、湯弦と美世子の口論が激しさを増した。
そのうち湯弦は美世子を突き飛ばしてしまった。
美世子は高台から、青黒い海へと吸い込まれた。
彼女の死は事故として処理された。
ショックはあったが、湯弦としては既に気持ちが離れていたので、彼女の死から
立ち直るには不思議と時間はかからなかった。
ただ、人を殺めた事実に何処か後ろめたい感情を抱いていた。
そのせいか、美しく整った顔は酷く疲れ、まだ19とは思えないほど老けて見えた。
周囲には、それが彼女を失った悲しみからきているものに見え、余計に同情を誘った。
だがそれも、1ヶ月も経てば、元に戻った。
苦労したけど、希望の大学にも入れた。
美世子(ミヨコ)という彼女も出来た。
友達も沢山いる。
そして、やっと親から離れて一人暮らしができた。
例えるなら、この少し曇った空の隙間から差し込む光のような、そんな希望に溢れた日々。
幸せの絶頂期、そんな感じも彼はしていた。
だが、長くは続かなかった。
何て事は無い、彼女とただの痴話喧嘩。
原因は、お味噌汁の具について。
誰もいない海の見える高台の展望の上で、湯弦と美世子の口論が激しさを増した。
そのうち湯弦は美世子を突き飛ばしてしまった。
美世子は高台から、青黒い海へと吸い込まれた。
彼女の死は事故として処理された。
ショックはあったが、湯弦としては既に気持ちが離れていたので、彼女の死から
立ち直るには不思議と時間はかからなかった。
ただ、人を殺めた事実に何処か後ろめたい感情を抱いていた。
そのせいか、美しく整った顔は酷く疲れ、まだ19とは思えないほど老けて見えた。
周囲には、それが彼女を失った悲しみからきているものに見え、余計に同情を誘った。
だがそれも、1ヶ月も経てば、元に戻った。
更新日:2008-12-07 00:47:52