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4日目

明方、湯弦は目を覚ました。
隣りではまだ梨桜が気持ち良さそうに寝ている。

やってしまった……
そんな感情が湯弦の頭を駆け巡る。

まさか男とこうなる事など湯弦は夢にも思わなかった。
名誉の為なら男とでもできる…そんな自分が恐ろしい。
湯弦の瞳から冷たい汗が滴り落ちる。

色々と考えるにつれ、体が気持ち悪くなってきた湯弦は、
梨桜が眠っているのを確認してから、シャワーを浴びに風呂場へ向かった。

シャワーを浴びた後は、適当にパジャマを羽織り、ベッドへ戻った。
だが、そこに梨桜はいない。

「しまった!!」
湯弦は慌てて玄関へ向かった。

しかし玄関は、鍵もチェーンもついたまま。
窓を開けた形跡も無い。

「アハハ♪驚いた?」
後ろから、ひょこっと梨桜が姿を表した。
ホッとして、湯弦は膝を床につく。

あんな事をしてまで引き止めようとしたのに逃げられれば目も当てられない。

「手錠までは解除出来たけど、流石にこの状態じゃ、外に出れないからね♪」
梨桜はパンツを1枚身につけただけだった。
確かに変質者と間違えられかねない格好だ。

「その格好で警察にでも駆け込まれたら、俺、殺人者な上、変質者にもなるじゃないか。」
湯弦の口から思わず本音が出た。
「なる程、湯弦に犯されたって、警察に駆け込めばいいか♪よし!これからはそうする☆」
相変わらず梨桜は楽しそうだ。

「でも、別の変質者にイタズラされるかも知れないぞ?」
暗に"逃げるな"と言いたげな湯弦をからかうように梨桜は下から湯弦の顔を覗き込む。

「どんな風にイタズラされるの?」
ニヤニヤ笑う梨桜の顔が湯弦の神経を逆撫でる。

「こんな風に…。」

突然、湯弦は両手で梨桜の首を掴み、ゆっくりと絞め始めた。
梨桜は抵抗しながら、苦しそうに悶えた。
「や…やめて!死ぬっ…!」

湯弦は眉間にしわを寄せて更に絞める。
「死にたいんだろ?お望み通り、殺してやるよ!!」
梨桜の目からは涙がこぼれ落ちた。

更新日:2008-12-14 01:24:14

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