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5月17日〜ストパー


6時間目が終了しホームルームもいつも通り特に話も無く僕らは帰る準備をしていた

『おい、帰るぞ』

櫻井が肩に鞄を掛けながら俯いて座っている佐伯に言う

『面白かったからいいじゃん』

凛が後ろの席で鞄に教科書を入れながら佐伯を励ます

『最近の俺の立場ってなんなんだよ…』

めんどくさいほど落ち込んでいる佐伯

『え?そりゃぁ』

櫻井と凛が目を合わせ声を揃えて言った

『ボケ要員でしょ?』
『ボケ要員だろ?』

それを聞いた瞬間、佐伯の目からはブワっと決壊したダムのように涙が流れだした

『サクちゃん、クリボーヒドいよ〜』

凛は心の中で叫んだ

めんどくさっ!

櫻井も心の中で思った

なんでこいつと親友なんだろ?

『帰りにアイス買ってやるから取りあえず帰ろうぜ。凛のアレもあるし』

『うん、わかった』

こいつはどんだけ子供なんだ…

凛は不意に佐伯の今後がとても心配になった

『取りあえずドラッグストア行こうぜ』

櫻井がそう言ったところで僕たちはドラックストアに向かうことにした



『おい、どれにする?』

『そりゃ激継続!って書いてるこれでしょう』

『僕あんまり傷むのは嫌だな』

三人はある棚の前で必死にあるものを吟味していた

それは……


ストレートパーマ液!!


そう、凛の髪は入学式から1ヶ月が経過しついにストパーをかけれる長さに到達していた!

『これで明日学校は騒然とするだろうな』

『あぁ、間違いない。』

櫻井と佐伯はニヤニヤと気味の悪い笑みで凛を見る

更新日:2009-10-08 13:56:52

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