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ライ麦畑でつかまえて

アメリカの作家、J.D.サリンジャー氏が亡くなったと検索サイトで知った。

発表されたとたん、大センセーショナルを巻き起こした「ライ麦畑でつかまえて」の著者。
私の、この本との出会いは10年ほど前だったと思う。図書館の椅子にかけて表紙を開くやいなや、ガーッ!と引き込まれ、半分くらい読んでしまった。家に帰って続きを読んだら、途中から涙が出て止まらなかった。そして自分の中の愛読書ランキング上位になった。

内容は…
高校生ホールデン・コールフィールドが、素行と成績の悪さの為に学校を退学させられる。そして、彷徨ったニューヨークの街での3日間の出来事を、彼の独白で綴っていくというものだ。
大人なんか信じられない、どいつも嘘つきばっかりだ!誰も俺の気持ちを分かってくれない、何もかもクソクラエだ!そんな主人公の心の叫びが聞こえる。
初版当時は、「作者は気が狂っているに違いない」「こんなの文学じゃない」と批判も浴びたようだ。さらにアメリカで起きた殺人事件の犯人がこの本を愛読していたということで、「危険な本」などとレッテルを貼られる場合もあったらしい。

確かに主人公は、身にふりかかったトラブルにより、怒りや悲しみの感情を爆発させクレイジーな行為を繰り返す。でも、人の心の痛みが分からない人間よりは、クレイジーな人間の方が好きだ。この本を読んだ時、私はそう思った。

晩年は、ほとんど社会に出ることなく人との交流が無かったという。
ご冥福をお祈りします。



更新日:2010-01-29 18:36:16

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