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小説

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開運グッズ

約10年前のある日。女性週刊誌を立ち読みしていたら、ある開運グッズの広告が目に飛び込んできた。
「レインボークオーツ・ブレスレット」

なんでも、古代フィンランド創世記だかにも書かれてある由緒正しきレインボークオーツという宝石が使われており、すごい希少な物で採掘するのが大変らしい。写真には二人の人間が雪山の中で何か掘っている後姿が小さく映っていた。「写真では分からないかも知れませんが、決死の覚悟で作業しています」という注釈が付いていた。

別な写真には、体験談として、ふくよかな女性とスレンダーなイケメン風の男性が教会らしき場所で愛の誓いを交わしている姿や、宝くじと一緒にニッコリ笑った男性の姿が映っている。

全くモテなかった私が、こんなに素敵な彼をゲットできました!
宝くじで高額当選しました!
病気が治りました!
等々。

うーん。本当だろうか。
値段、9800円。送料込で一万円ちょっと。
うーん。こんなのウソだよねぇ。
…でも。デザインは美しい。ゴールドの生地に埋め込まれた光るクオーツ。その名の通り、虹色にキラキラ光っている。なんか、効きそうな気がしてきた。

何日か迷ったあげく、注文することにした。
数日後に、細長い白い箱に入ったブレスレットが送られてきた。わくわくして箱を開けてみると、まさしく虹色に美しく輝いている。
「きれい~…」
思わず、呟いてしまった。
中に説明書が入っていた。

「お買い上げありがとうございます。このブレスレットは、出来るだけ肌身離さず付けてください。お風呂に入る時も、濡らさないように傍に置いてください」

私は、書いてある通り真面目にお風呂に入る時もラップに包んで傍に置いた。日中はもちろん、寝る時もずっと付けていた。左手首に、いつもキラキラ光るものがあるのは何とも快く、楽しい。

私はこれを付けて宝くじを買いに行くことにした。連番で10枚。発表の日までドキドキしながら待っていたが、当たったのは末等の100円のみ。10枚買えば、必ず100円は当たることになってるのよね。

数か月経ったある日。家に居るとき、ちょっとバランスを崩して左手を畳についてしまった。その瞬間、手の下で「ブキッ」と鈍い音が。見ると、ブレスレットが見事に真っ二つに割れ、畳に落ちていた。

…そんなもんよね、人生なんて。

それなのに、今でもネットのアクセサリー屋さんを覘くと、つい虹色のブレスレットが欲しくなってしまう性懲りもない私である。

あ、そうそう。今日ラジオで言ってた、おまじない。
満月の深夜のちょうど0時に、財布の中身を空っぽにして、月に向かってフリフリと振ると良いことがあるそうです。


更新日:2010-01-07 23:27:18