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第4章 異次元  ~第1話 時空のゴミ箱~

再び、ミウたちは四次元へと戻ってきた。
しかし、ミウたちが到着した四次元の世界は、何故だか妙にほこりっぽく、粉塵(ふんじん)が舞い上がり、視界が極端に悪くなっていた。
「どうした・・・」
ミウが言葉を発した途端、地面か、つまり3人が立っている道が上下に激しく波打ちだした。
「な、なに!?
道しかないのに、どうして揺れているの?」
突然の出来事に驚く3人であったが、その揺れは10秒ほどで止んだ。

「もう、一体何な・・・」
「殺気!」
またもやミウが話し出した途端、今度はマタタビがミウの言葉をさえぎった。
と、そこに三叉の矛(ほこ)を持ったネビルが空中から突進をしてきた。
それを、マタタビがうまく刀で受け止めたのである。
「何ダ、ミウじゃん」
と、ネビルはあっさり言い放った。
一瞬ぽかんとしたミウであったが、すぐに我を取り返した。
「『何だ』じゃないわよ!
ネビル、あんた私を殺す気!
どうなってんのよ」
「テヘ、ごめんなちゃい」
ネビルはチラッと舌を出して、ペコリと謝った。
「ミウ、あのネ、おかしいのネ。
侵入者みたいのにネ、変なの。
ちなみにネビルのこの三叉トライデントのトラちゃんは武器じゃないのネ。
固いけど軟らかい、ゴムみたいものネ。
これで曲者がいたら、道から突き落とすのダヨ、フッフッフ♡」
(それで、道を揺らしたりして、私たちを突き落とそうとしたわけね・・・)
ミウがそう考えた時、ボンっという音と煙とともに、“ヘラクレス”が現れた。
「ミウ殿、マタタビ殿、またお会いすることができうれしく存じます。
そして、そちらのタントニー殿、お初に申し上げます。
私はこの世界の案内役であり、ミウ殿から“ヘラクレス”と呼ばれておる存在です。
以後お見知りおきを」
タントニーもすぐによく分からない挨拶を返した。
「はじめましてですわ。
あなたはこの世界ですわね。
よろしくお願いします」

更新日:2009-07-20 20:00:04

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