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第4話
三越仙台店の辺りまで来ると、何か煙が定禅寺通りの真ん中から出ているように見えた。おそらく、優のところがやっているという実験。それ以外はあんな奇天烈な事はこんな夏にしないだろう。腕時計を見ると18時まであと5分。やっぱり人込みで意外に時間がかかった。ただ、あの煙はいったいなんだろう。単純にそう思った。
美保が、人込みをどうにかしてゆるゆると抜けているとさっきまでの霧雨が少しずつ粒を大きくしている。ヤバイな、そう美保は思った。あと距離は数百メートル。時間は3分前だった。
予定通り雨の粒が大きくなった。そろそろ異変が始めるだろう。ただし、俺の隣には研究所の仲間しかいない。みんな実験が成功するか固唾を呑んで見守っている。このために先輩たちから計算すると約10年間かかった。そして、今年ついに出来た。それを今準備している、集大成なのだ。この研究が成功すれば、先生も少しゆっくり出来るだろう。
そのとき、ざわめきが起こった。雨が固まっていくのだ。そして結晶化した雪が降り出した。そして、肩を叩く背の高い女性が一人、苦笑いしながら立っていた。
やっと、目的地に着いた。そこにはたくさんの人込みができていた。そこを分け行くと彼がいた。ただ周りの人と同様に少し緊張気味だ。これが前話に聞いていた長年の実験なのだろう。そして、周りからざわめきが起こった。雪だ。そう思った。そして、ゆっくりと彼に気づかれず、後ろに回っていった。ついに彼に気づいてもらうために、肩を軽く叩いた。労いの気持ちで、ふわっと。
雪が降り続いたのは、およそ10分ほどだった。そこで、俺たちは解散した。今日の喜びが大きすぎて、冷静な思考が出来ないと先生が思ったからだ。もしかしたら一番喜んでいたのは先生だったかもしれないが。
今は横に美保と手をつなぎながら歩いている。今日はどう埋め合わせするべきか?全く思いつかない。美保は何も言わず、品定めする姿勢のようだ。
まあどうでもいい、今日は文系の友達から聞いたオススメの店で奢ってあげよう。彼女の気分が晴れるまで、ずっとそばにいて。
さっきまでは霧雨が降っていたが、もう天は水を落とさなくなっていた。
美保が、人込みをどうにかしてゆるゆると抜けているとさっきまでの霧雨が少しずつ粒を大きくしている。ヤバイな、そう美保は思った。あと距離は数百メートル。時間は3分前だった。
予定通り雨の粒が大きくなった。そろそろ異変が始めるだろう。ただし、俺の隣には研究所の仲間しかいない。みんな実験が成功するか固唾を呑んで見守っている。このために先輩たちから計算すると約10年間かかった。そして、今年ついに出来た。それを今準備している、集大成なのだ。この研究が成功すれば、先生も少しゆっくり出来るだろう。
そのとき、ざわめきが起こった。雨が固まっていくのだ。そして結晶化した雪が降り出した。そして、肩を叩く背の高い女性が一人、苦笑いしながら立っていた。
やっと、目的地に着いた。そこにはたくさんの人込みができていた。そこを分け行くと彼がいた。ただ周りの人と同様に少し緊張気味だ。これが前話に聞いていた長年の実験なのだろう。そして、周りからざわめきが起こった。雪だ。そう思った。そして、ゆっくりと彼に気づかれず、後ろに回っていった。ついに彼に気づいてもらうために、肩を軽く叩いた。労いの気持ちで、ふわっと。
雪が降り続いたのは、およそ10分ほどだった。そこで、俺たちは解散した。今日の喜びが大きすぎて、冷静な思考が出来ないと先生が思ったからだ。もしかしたら一番喜んでいたのは先生だったかもしれないが。
今は横に美保と手をつなぎながら歩いている。今日はどう埋め合わせするべきか?全く思いつかない。美保は何も言わず、品定めする姿勢のようだ。
まあどうでもいい、今日は文系の友達から聞いたオススメの店で奢ってあげよう。彼女の気分が晴れるまで、ずっとそばにいて。
さっきまでは霧雨が降っていたが、もう天は水を落とさなくなっていた。
更新日:2009-07-23 23:25:45