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3 日常でないということ

その晩、眠りにつこうとしたが、
なんとなく背筋がむずむずして
なかなか寝付けなかった。
何度か起き出して、水を飲んだりしてみたが
一向に解消しなかった。


結局夜明けまで
うとうとしたり起きたりの繰り返しだったが、
朝になって、頭が痛くなり、
風邪だと気がついた。

…多分西川と飲んだとき、
急激につよい冷房にあたったので
調子がくるったのだ。


微熱くらいだと感じたので、
ソファでタオルケットをかけて横になっていると、
やがてセイが起きてきた。


「…そーさん、どしたの。」


「…風邪かな。」


「…。起きれないの?」


「いや、起きられるよ。
…お腹すいた?
おかゆつきあう?
それともそっちはそっちで好きなもの食う?」


「あ…
おかゆ、オレ作るよ。
炊飯器にそういうのついてたし!」


「あ、そう?」


こんなことは初めて言われたので、
いささか興味を感じて、
まかせてみることにした。

小一時間たって、
セイは大きめの小鉢にお粥をいれて、
スプーンと一緒にもってきてくれた。


「味見したから、
大丈夫とおもう。」


「ありがとう。」


先に礼をいっておいた。

マズくてもそれはそれだが、
自分の頑固さを鑑みるに
マズいと礼が言えない。

食べてみると、まともだった。
炊飯器さまさまだ。


「おいしいよ、セイ。」


「でしょ。」


セイはわたしのソファの隣にすわり、
一緒にがつがつとお粥を食べた。

…寝起きからがんばったせいで、
腹がへったらしかった。


更新日:2009-07-22 13:23:22

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