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15 おじいちゃまのお相手

到着した日は空港まで西川が迎えにきてくれた。
件の友人が社用車を貸してくれたそうで、
私は快適な西川の運転で
楽をした。

夕方、前泊するビジネスホテルに入ると
西川が「タイムカードおしてきます」
と一時いなくなり、
代わりにロビーまで件の友人があいさつに来た。

くどい挨拶のあとに、
スケジュールの書かれた紙を
手渡された。
翌朝の7時半に集合だった。


「本山先生とは、ご面識は…?」

「全然ないです。
文章はたまにコラムとかで読みますけど。」

「…くじけないでくださいね。
ここまできたら
途中下車はなしですよ。

…あと…
もしかしたら、6時半くらいに、
衣装もやってくれるヘアメイクさん頼もうかなと、今おもったんですよ。
今からじゃ手配間に合わないかもしれないけど…
後ほど決まったらご連絡しますね。」


…顔がきたないのかな、私、
と少し思ったが、
テレビのことはよくわからないので
「はあ、わかりました」
とだけ言った。

なぜか、
「ちょっと写真撮らせてくださいね」
とポラロイドで撮られた。

しばらくすると、
また西川が戻ってきた。
彼と西川は小声で打ち合わせをし、
彼は帰っていった。


その後は深く考えずに、
西川と食事にいき、
酒を飲み、
そして私の部屋で久しぶりに抱き合った。

その西川も夜半には退室した。


更新日:2009-08-06 14:07:05

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