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千歳について飛行機をおりると
とても涼しく、湿度も適度に低く、
快適このうえなかった。
北海道は日本じゃない、という気がした。
到着ロビーはふんわりと花の香りがして
そのふかふかの絨毯の上で
そのままごろ寝してしまいたいほどだった。
メールをやりとりして、
セイと空港の「ホタテいるとこ」でなんとか落ち合った。
セイは顔色が悪く、
どろっとした病人じみた目をしていた。
「セイ、ただいま。
大丈夫かい?」
私はセイの額に手を当てた。
別に熱などはない。
セイも煩わしそうな顔をした。
「…お帰りなさい。
仕事、どう?」
「うん、あの話は決まりそうだよ。」
「そう、よかった。」
「セイ、ご飯食べたいから、
つきあってくれる?」
「ああ、うん、いいよ。」
セイは口ではそう言ったが、
次の瞬間顔をしかめて、
げっぷした。
「…あの、オレ、のみものでもいいよね?」
「おなかいっぱいなら、勝手にそうしてよ。」
「うん。」
私の「どうでもいいよそんなことオマエのすきにしろ」的返事に、
なぜかセイは少し安心した様子を見せ、
少し明るい顔になると、私の荷物を手伝って持ってくれた。
「まだ暑かったでしょ、本州。」
「そりゃあもう…、
冷凍庫から出たアイスキャンディーってかんじだったよ。
西川さんに笑われた。」
「センセエ、とけてはりますなーっ、みたいな?
…よくがんばったね、そーさん。
えらいえらい。」
下手な関西弁の後で
突然褒められて、私はびっくりした。
目を見開いて笑いかけると、
セイは少し生気を取り戻していた。
とても涼しく、湿度も適度に低く、
快適このうえなかった。
北海道は日本じゃない、という気がした。
到着ロビーはふんわりと花の香りがして
そのふかふかの絨毯の上で
そのままごろ寝してしまいたいほどだった。
メールをやりとりして、
セイと空港の「ホタテいるとこ」でなんとか落ち合った。
セイは顔色が悪く、
どろっとした病人じみた目をしていた。
「セイ、ただいま。
大丈夫かい?」
私はセイの額に手を当てた。
別に熱などはない。
セイも煩わしそうな顔をした。
「…お帰りなさい。
仕事、どう?」
「うん、あの話は決まりそうだよ。」
「そう、よかった。」
「セイ、ご飯食べたいから、
つきあってくれる?」
「ああ、うん、いいよ。」
セイは口ではそう言ったが、
次の瞬間顔をしかめて、
げっぷした。
「…あの、オレ、のみものでもいいよね?」
「おなかいっぱいなら、勝手にそうしてよ。」
「うん。」
私の「どうでもいいよそんなことオマエのすきにしろ」的返事に、
なぜかセイは少し安心した様子を見せ、
少し明るい顔になると、私の荷物を手伝って持ってくれた。
「まだ暑かったでしょ、本州。」
「そりゃあもう…、
冷凍庫から出たアイスキャンディーってかんじだったよ。
西川さんに笑われた。」
「センセエ、とけてはりますなーっ、みたいな?
…よくがんばったね、そーさん。
えらいえらい。」
下手な関西弁の後で
突然褒められて、私はびっくりした。
目を見開いて笑いかけると、
セイは少し生気を取り戻していた。
更新日:2009-07-27 15:28:07