- 2 / 218 ページ
札幌の多くの家庭がそうであるように
私のところもクーラーはない。
私は暑さに弱く
夏は毎年、憂鬱であった。
窓をすべて開け放ち
物を極力少なくして
風をとおしていたのだが、
窓をあけていると、
砂埃が入ってきて
床も本も汚れる。
それを掃除するのは骨が折れた。
それでも私は少ない日課の一つとして
いつも部屋を掃除していた。
暒太郎に貸している部屋も
わたしが容赦なく掃除した。
暒太郎はたまに変なものを買い込む癖があり
フローリングの床は
そうした得体のしれない雑貨と
わたしの本棚から持ち出した本で
ちらかっていることが多かった。
私はいつも本を回収し、
がらくたを一つずつ拾いあつめて
暒太郎が気に入って物置からひっぱりだしてきた
ブリキの缶のなかに収めた。
昔ペットボトルを4本かったら店で貰った
その蓋付き持ち手つきの缶は
まるで陶器のように見える柄が印刷してあって
今はもう売られていない
昔のキリンのお茶のロゴがついていた。
暒太郎が使い出すまで、
わたしはそれが
それほど洒落たデザインだとは感じていなかった。
だが暒太郎が愛用しはじめて、
ようやくその缶の印刷の美しさや
色合いの味わいがわかるようになり、
暒太郎の目に感心した。
蓋を閉め、
ベッドを整え、
掃除機をかけ、
水曜日だったのでモップで水拭きした。
部屋はすっきりと綺麗になった。
私のところもクーラーはない。
私は暑さに弱く
夏は毎年、憂鬱であった。
窓をすべて開け放ち
物を極力少なくして
風をとおしていたのだが、
窓をあけていると、
砂埃が入ってきて
床も本も汚れる。
それを掃除するのは骨が折れた。
それでも私は少ない日課の一つとして
いつも部屋を掃除していた。
暒太郎に貸している部屋も
わたしが容赦なく掃除した。
暒太郎はたまに変なものを買い込む癖があり
フローリングの床は
そうした得体のしれない雑貨と
わたしの本棚から持ち出した本で
ちらかっていることが多かった。
私はいつも本を回収し、
がらくたを一つずつ拾いあつめて
暒太郎が気に入って物置からひっぱりだしてきた
ブリキの缶のなかに収めた。
昔ペットボトルを4本かったら店で貰った
その蓋付き持ち手つきの缶は
まるで陶器のように見える柄が印刷してあって
今はもう売られていない
昔のキリンのお茶のロゴがついていた。
暒太郎が使い出すまで、
わたしはそれが
それほど洒落たデザインだとは感じていなかった。
だが暒太郎が愛用しはじめて、
ようやくその缶の印刷の美しさや
色合いの味わいがわかるようになり、
暒太郎の目に感心した。
蓋を閉め、
ベッドを整え、
掃除機をかけ、
水曜日だったのでモップで水拭きした。
部屋はすっきりと綺麗になった。
更新日:2009-07-21 11:42:35