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オッサンのコビト、怖い、
と言われて、
ますます私は
コビトが見たくなった。
単に恐いもの見たさ、というか…
…私は怪談であるとか、
妖怪談であるとか、
そういったものが大変大好きなのだが、
一度もそういったものに遭遇したことがないのだった。
UFO、幽霊、ツチノコ、…いずれもない。
勿論、セイは迫真の演技で
私をからかっているのかもしれない。
あるいは「いたら怖いじゃない」というのも
「冗談なのにいたら怖い」という
さりげない種明かしだったのかもしれない。
けれども私は、
その引き出しのなかやテレビの裏にしばしばいるという
小さなオッサンというイメージに
夢中になってしまった。
もし万に一つでも本当にいるのであれば
けっして見ずに済ませてなるものか、
という、固い決意がうまれた。
以来、私はよく引き出しをあけてみるようになった。
そっと、…小さいおじさんが吃驚しないように
少しだけ開けるのだ。
…けれどもいつも
おじさんのコビトはいなかった。
私は幾ばくかの落胆と
幾ばくかの安堵と
次こそはの期待とともに
そっと引き出しを閉めるのだった。
と言われて、
ますます私は
コビトが見たくなった。
単に恐いもの見たさ、というか…
…私は怪談であるとか、
妖怪談であるとか、
そういったものが大変大好きなのだが、
一度もそういったものに遭遇したことがないのだった。
UFO、幽霊、ツチノコ、…いずれもない。
勿論、セイは迫真の演技で
私をからかっているのかもしれない。
あるいは「いたら怖いじゃない」というのも
「冗談なのにいたら怖い」という
さりげない種明かしだったのかもしれない。
けれども私は、
その引き出しのなかやテレビの裏にしばしばいるという
小さなオッサンというイメージに
夢中になってしまった。
もし万に一つでも本当にいるのであれば
けっして見ずに済ませてなるものか、
という、固い決意がうまれた。
以来、私はよく引き出しをあけてみるようになった。
そっと、…小さいおじさんが吃驚しないように
少しだけ開けるのだ。
…けれどもいつも
おじさんのコビトはいなかった。
私は幾ばくかの落胆と
幾ばくかの安堵と
次こそはの期待とともに
そっと引き出しを閉めるのだった。
更新日:2009-09-28 12:45:30