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5 湖園を歩く。
すっかり熱がさがると、
セイは約束どおり、私を外出にさそってくれた。
私は別に外出が嫌いなわけではない。
行きたいところがないからということと、
もう一つは、暑いのが苦手だからという理由で
家にいるだけだ。
私はセイの誘いをうけ、
動きやすい服装にスニーカーで
セイと出かけることにした。
「…そーさんて、
あまり長距離歩けないでしょ。
ずっと家にいるからね。
今日は近いところにしたよ。」
セイの言う通り、乗ったのはJRではなく地下鉄だった。
それも少し乗ったらすぐ降りて、
バスに乗り換えた。
「…飲み物とか、買ったほうがよかったかな。」
「今日のところは大丈夫、いらないよ。
お昼、ジンギスカンでいいよね。」
「ジンギスカン?
久しぶりだな〜。
実家を出てから一度も食べてない。
いいね、たまには。」
「病み上がりだから元気つけなくちゃね。
ジンギスカンは北海道人が考えた
最強の食べ物の一つだよ。」
「そうだね、お腹いっぱいになるし、
元気になる。」
「…汗もかくけどね。
まあ、ご愛嬌。」
距離の長いバスを、終点で降りた。
「少し歩くよ。」
「うん。」
バスが去ると、セイはなぜか私に手を差し出した。
なんだろう?と思ったが、
その手をとると、
セイは手をつないで、私を引っ張って歩き出した。
「…手をつないでゆくの?」
不思議に思ってたずねると、
セイはふりかえって
「…そーさんが車にひかれたらこまるから。」
と真面目に言った。
…きっとセイは
親にそうされたのだな、
と私は思い、
おもしろいので
そのまま手をつないで歩いた。
セイは約束どおり、私を外出にさそってくれた。
私は別に外出が嫌いなわけではない。
行きたいところがないからということと、
もう一つは、暑いのが苦手だからという理由で
家にいるだけだ。
私はセイの誘いをうけ、
動きやすい服装にスニーカーで
セイと出かけることにした。
「…そーさんて、
あまり長距離歩けないでしょ。
ずっと家にいるからね。
今日は近いところにしたよ。」
セイの言う通り、乗ったのはJRではなく地下鉄だった。
それも少し乗ったらすぐ降りて、
バスに乗り換えた。
「…飲み物とか、買ったほうがよかったかな。」
「今日のところは大丈夫、いらないよ。
お昼、ジンギスカンでいいよね。」
「ジンギスカン?
久しぶりだな〜。
実家を出てから一度も食べてない。
いいね、たまには。」
「病み上がりだから元気つけなくちゃね。
ジンギスカンは北海道人が考えた
最強の食べ物の一つだよ。」
「そうだね、お腹いっぱいになるし、
元気になる。」
「…汗もかくけどね。
まあ、ご愛嬌。」
距離の長いバスを、終点で降りた。
「少し歩くよ。」
「うん。」
バスが去ると、セイはなぜか私に手を差し出した。
なんだろう?と思ったが、
その手をとると、
セイは手をつないで、私を引っ張って歩き出した。
「…手をつないでゆくの?」
不思議に思ってたずねると、
セイはふりかえって
「…そーさんが車にひかれたらこまるから。」
と真面目に言った。
…きっとセイは
親にそうされたのだな、
と私は思い、
おもしろいので
そのまま手をつないで歩いた。
更新日:2009-09-28 12:02:49