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ヴィーの見つけた呪文というのはさっぱり使い方の分からない魔法だった。
簡単に言うと『土の中の水を動かす呪文』だ。
土から水を取り出せるとなると便利な呪文のような気もするが、そんな呪文で水を汲むくらいなら、最初から井戸を掘るために土の魔法を使った方がマシだ。

はっきり言って、存在理由が分からない。

そこをきちんとしないと論文もきちんと書けない訳で、ヴィーはまたノートと睨めっこの作業に入っていた。

そんなヴィーを部屋に残して、リンネルは村の神父に話を聞きに行くことにした。
あのエスタリア刀の絵。あれにまつわる話を聞ければ、面白いことが分かるかもしれない。
軽い足取りで教会へ向かう。
日差しはもう夏を感じさせるほどに強かったが、吹く風の涼しさがそれをかき消すように感じられた。

更新日:2010-04-30 12:35:49

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