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続・古い一軒家のアパート
そのアパートで起きた2度目のおかしな体験をお話いたします。
ただ今回の話は直接私が見ていないことと、もう一つは今は
亡くなってしまった九州の祖母の話なので、文章に若干の
遠まわしな表現があることをご理解下さいませ。
祖母は高齢で日中一人暮らしをさせるのが不安な毎日でした。
私は母と相談しあった結果、祖母を九州から呼んで私のアパートに
住ませる事に致しました。
母も、ほとんど私のアパートに寝泊りする毎日になりました。
特に日中は私が仕事で出るので、母が介護をしていたのです。
祖母はボケることはありませんでしたが、次第に寝たきり状態と
なってしまいました。
頭がはっきりしているので、それは辛かっただろうと思います。
一度、祖母と話をしていたら「こんな(皆に迷惑を掛ける)なら、
死んでしまいたい」と漏らしたことがあり、その時は泣きそうに
なりました。
私はジイチャン、バアチャン子だったので、あの元気で厳しくも
優しい祖母が弱っていくのを見るのは耐えられませんでした。
(ちなみに祖父は私が九州にいる時に他界しました)
その日もいつものように仕事を終え、帰宅すると母が言ったのです。
「今日は、昼間に凄いことがあった」と。
「どうしたの?」と聞くと…
ここからが完全に聞いた話です。
母はいつものように祖母に何かを食べさせようと、起こしに
向かいました。
部屋は(私が寝ている部屋と同じで、母は別の部屋でした)暗くして
おり、目が覚めると窓やカーテンを開けて明るくしていたようです。
祖母の寝ている布団を見下ろしたけど、何か様子がおかしい。
顔が黒いと言うのです。
そこでカーテンを開ける前に、まず蛍光灯を点けてみる事にしました。
「!」
なんと祖母の顔は墨で塗ったかのように真っ黒なのです。
驚いて身体を触ってみると、息はしている。
いつもと何ら変わらない…ただ顔だけが真っ黒…
目を近づけてよく見てみると、それは蟻だったそうです。
何千、何万という数の蟻が祖母の顔に群がり張り付いていたのです。
急いで手で追い払おうとするけれど、噛み付いたままなのか全く
離れようとしません。
畳の上には、どこからか蟻が群れをなし、さらに何千という数で向かって
来るではないですか。
母は台所へ行き、鍋に水を入れて沸かし、タオルを浸して祖母の顔に
当てたそうです。
つまり高熱で追い払おうという訳です。
母は必死で熱いタオルを絞り、祖母の顔に乗せ、またタオルを熱湯に
浸し、また乗せる…これを繰り返したのです。
結果、すべて追い払い蟻は全滅、もしくは追い払いに成功しました。
「熱湯なんか、バアチャンに被せて大丈夫だった?」
私は、そっちも気になったので聞きました。
「他に方法が無かった。いくら手で掻いても蟻は全く離れなかった」
んだそうです。
このような事が起きるもんなのでしょうか?
祖母は元気でした。別に顔の皮膚や肉を食いちぎられたとか、
そういう訳ではなかったようです。
なんと書いていいか分からないけれど、その時はそれを聞いて安心
しました。
その後、1年程で祖母は他界しました。
様態が急変したようで病院へ行って息を引き取ったのです。
高齢だったので、それはやむをえない事です。
しかし、あの日の、あれは何だったのでしょう?
母も、さぞ怖かっただろうと思います。
蟻は…蟻は一体、何をしていたのでしょう…
そのアパートで起きた2度目のおかしな体験をお話いたします。
ただ今回の話は直接私が見ていないことと、もう一つは今は
亡くなってしまった九州の祖母の話なので、文章に若干の
遠まわしな表現があることをご理解下さいませ。
祖母は高齢で日中一人暮らしをさせるのが不安な毎日でした。
私は母と相談しあった結果、祖母を九州から呼んで私のアパートに
住ませる事に致しました。
母も、ほとんど私のアパートに寝泊りする毎日になりました。
特に日中は私が仕事で出るので、母が介護をしていたのです。
祖母はボケることはありませんでしたが、次第に寝たきり状態と
なってしまいました。
頭がはっきりしているので、それは辛かっただろうと思います。
一度、祖母と話をしていたら「こんな(皆に迷惑を掛ける)なら、
死んでしまいたい」と漏らしたことがあり、その時は泣きそうに
なりました。
私はジイチャン、バアチャン子だったので、あの元気で厳しくも
優しい祖母が弱っていくのを見るのは耐えられませんでした。
(ちなみに祖父は私が九州にいる時に他界しました)
その日もいつものように仕事を終え、帰宅すると母が言ったのです。
「今日は、昼間に凄いことがあった」と。
「どうしたの?」と聞くと…
ここからが完全に聞いた話です。
母はいつものように祖母に何かを食べさせようと、起こしに
向かいました。
部屋は(私が寝ている部屋と同じで、母は別の部屋でした)暗くして
おり、目が覚めると窓やカーテンを開けて明るくしていたようです。
祖母の寝ている布団を見下ろしたけど、何か様子がおかしい。
顔が黒いと言うのです。
そこでカーテンを開ける前に、まず蛍光灯を点けてみる事にしました。
「!」
なんと祖母の顔は墨で塗ったかのように真っ黒なのです。
驚いて身体を触ってみると、息はしている。
いつもと何ら変わらない…ただ顔だけが真っ黒…
目を近づけてよく見てみると、それは蟻だったそうです。
何千、何万という数の蟻が祖母の顔に群がり張り付いていたのです。
急いで手で追い払おうとするけれど、噛み付いたままなのか全く
離れようとしません。
畳の上には、どこからか蟻が群れをなし、さらに何千という数で向かって
来るではないですか。
母は台所へ行き、鍋に水を入れて沸かし、タオルを浸して祖母の顔に
当てたそうです。
つまり高熱で追い払おうという訳です。
母は必死で熱いタオルを絞り、祖母の顔に乗せ、またタオルを熱湯に
浸し、また乗せる…これを繰り返したのです。
結果、すべて追い払い蟻は全滅、もしくは追い払いに成功しました。
「熱湯なんか、バアチャンに被せて大丈夫だった?」
私は、そっちも気になったので聞きました。
「他に方法が無かった。いくら手で掻いても蟻は全く離れなかった」
んだそうです。
このような事が起きるもんなのでしょうか?
祖母は元気でした。別に顔の皮膚や肉を食いちぎられたとか、
そういう訳ではなかったようです。
なんと書いていいか分からないけれど、その時はそれを聞いて安心
しました。
その後、1年程で祖母は他界しました。
様態が急変したようで病院へ行って息を引き取ったのです。
高齢だったので、それはやむをえない事です。
しかし、あの日の、あれは何だったのでしょう?
母も、さぞ怖かっただろうと思います。
蟻は…蟻は一体、何をしていたのでしょう…
更新日:2009-06-22 12:23:47