• 作品を探す:

小説

携帯でもPCでも書ける!

  • 5 / 439 ページ

出会い

 人と人との出会いの中で、どれほど自分の心を揺るがす事があろうか・・どれほど感激できる事があろうか・・自分が相手にとってどれだけ影響を与える事があろうか・・人と人との出会いはまさに運命・・素直で純粋に生き物と対して接してきた香月と、周囲の人望も厚く、優れた競翔家、川上氏との出会いはこうして生まれた・・。
 着いた所は、香月の家から芳川のバイクで、30分程の所にあった。表通りの、割りとにぎやかな通りの筋を2つ入った、狭い商店街の一角に「川上精肉店」の看板が見えた。4、5坪程のこじんまりして明るく、清潔そうな店内には客の姿は無かったが、感じの良さそうな中年の婦人がその中に立っていた。
 芳川が、
「川上真二さんはご在宅でしょうか・・電話した芳川と申しますが」
 婦人は笑みを浮かべ、
「ま♪、貴方が芳川さん。はい、はい。いらっしゃい。そこの横を通って裏に回ってね」
 喜色満面で、香月にもにこにこしながら婦人は見守った。香月はやや顔を赤らめながら、頭を下げた。
 2人が裏を抜けると、立派な2階建て鉄筋の家があり、約80坪ほどの広々した庭には松や植木が整然と並び、その一角には鉄筋の物置の上に、約3坪もある立派な鳩舎が2つ並んで建っている。2人は驚いてそれを眺めていた。粗末な香月の鳩舎など比べ物にならない立派な創りだからだ。一方の鳩舎には、四方を金網で囲んだ遊び場らしいスペースが設けてあるし、その中にはのんびり羽を伸ばした数羽の鳩が見える。鳩舎の外には無数の鳩が群れていて、どの鳩も素晴らしい健康的な美しい姿で、眼の前を飛び回っていた。
 ようやく2人は鉄筋建て洋館の玄関のチャイムを押した。
「はい」
 中から、若い女性の声が聞こえてきてドアが開いた。思わず香月は「ドキッ」とした。非常に整った顔の色白美少女は、ほぼ同年齢であろう。そのまま何も言えずに立ち止まる香月の横から、芳川が言う。

更新日:2013-07-23 06:23:33