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「だいたい片付いたようね・・・。
お疲れさまでした。
今までありがとう。

出来れば・・・
9月からも手伝って欲しいけど・・・」

「もう少し、考えさせてください」

「分かったわ。
良い返事を期待しているわね」

「では、これで、失礼致します。
長い間、お世話になりました」

副学長室を出て・・・
きょうで最後・・・

バス停まで、歩いた。
ここを歩くのも・・・
きょうでおしまい・・・

高校、大学、職員として・・・何年通ったんだろう・・・
20年・・・いろんなことが、あった・・・

楽しいことも・・・嫌なことも・・・
笑ったり・・・泣いたこともあったけど・・・

学内の歩道を歩いていたら・・・

私を通り過ぎて・・・

車が、1台・・・止まった・・・

中から・・・
「乗りませんか?」
理事長だった・・・

「私は、もう職員ではありませんから・・・
理事長のおっしゃることに・・・
従う義務は、ないと思いますが・・・」

「個人的なお願いです。
あなたと話がしたい」

「でしたら・・・車を降りてください・・・
そこのベンチででしたら・・・お話、伺います。

バスを1台、乗り過ごして・・・
10分だけで、よろしければ・・・」

降りて来る様子が、ないので・・・

私は、また、歩き始めた・・・

すると・・・車のドアが、開いて・・・
理事長が、降りてきた・・・

更新日:2009-09-11 12:41:51

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