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「ごちそうさまでした」

「どういたしまして。
あなた、きょうは、もう帰っていいわよ。
引っ越しの片付けとか、あるんでしょう?
大学には、気分が悪くなって早退させたって言っておくから」

「いいんですか?」

「それで、気付いてくれるくらい・・・
デリカシーの欠片でもあれば・・・助かるのにねぇ・・・。
あっ、送るわ・・・彼のマンションまで・・・」

真っ白なポルシェで、悠介のマンションまで送ってもらった。

「ありがとうございました。
これから、大学に、戻られるんですか?」

「ええ・・・部屋の私物を少しづつ片付けるわ。
見付からないようにね。じゃあ、明日ね」

「はい。お気を付けて・・・」


はぁ・・・まだ2時・・・
こんなに、早く帰ったこと・・・今までなかったわ。

部屋のカギを開けて・・・「ただいま・・・」
ソファーに、座った・・・。

私の人生・・・いったい、これから、どうなっていくの?
と・・・聴きたい・・・誰に・・・?

金曜日・・・あの日から・・・何かが、オカシイ・・・

私に、関わって欲しくなかった・・・理事長。。。

怨憎会苦・・・怨み、憎む者に、出会う苦しみ・・・。

いろんな出会いが、あるけど・・・
本当に、出会いたくなかった・・・

ひとりで、考えていても・・・仕方ないし・・・
悠介が、帰ったら・・・相談しよう。

とにかく、着替えて・・・せっかくの時間だし・・・
洗濯機を回しながら・・・部屋の片付け・・・

すると・・・悠介からメール・・・
”大丈夫か?今夜は、早く帰れるから。
優華は、帰り、何時ごろ?”

返信メール・・・
”じゃあ、美味しい晩ご飯作って
待ってるね。”

どんな事が、あっても・・・私には、悠介が、居てくれる。
それだけで・・・充分・・・幸せなんだから・・・。

更新日:2009-09-08 23:29:19

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