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「心配で、優華をひとりにしておけない・・・。
ここで、俺と一緒に暮らそう」
「大学も辞めて・・・ここで毎日、悠介の帰りを待つの?」
「嫌か? 贅沢は、させてあげられないかもしれないけど・・・
優華とふたりで生活していけるくらいの収入は、あるつもりだけど・・・」
「そういう生活も・・・楽しいかもしれないよね。
悠介の傍に、ずっと居られるんだもんね・・・」
「仕事から帰ったら、優華が、毎日ここで待っていてくれる・・・
考えただけで、夢みたいで、俺は、最高に幸せだよ」
「マンション引き払って・・・引っ越して来ようかな・・・いい?」
「いいに、決まってるだろう。・・・良かった。
これで心配が、半分減った気がするよ」
「大学は、もしかしたら・・・
月曜日に行ったら・・・クビになってるかもしれないし・・・
辞令が、出て・・・系列の地方の大学に、飛ばされてるかもしれない・・・
理事長の一存で、それくらい出来るのよ・・・今の家の大学は・・・」
「前は、違ったのか?」
「前の理事長は、今の理事長のお父様なんだけど・・・
とっても人格者で・・・厳格な方で・・・
つまらない噂ひとつ、ない方だった・・・
大学が、おかしくなったのは・・・
5年前に、今の理事長に替わってからなの・・・」
「とんでもないバカ息子ってことか・・・?」
「そうね・・・それは、否定出来ない・・・
理事長のプロポーズを断って・・・
地方に、飛ばされた子が、確かに居るから・・・」
「優華が、離婚した事を知って・・・近付いて来た。
そういう事か・・・」
「私、副学長に相談してみる・・・心配してアドバイスしてくださったし・・・
もしかしたら、力になってくれるかもしれない・・・」
「そうだな・・・1年前には、理事長のお願いを断ってくれたんだよな・・・」
「うん・・・だから悠介、そんなに心配しないで・・・大丈夫だから」
「心配は、するよ・・・当然だろ・・・俺の大切な優華なんだから・・・」
「悠介が、居てくれて本当に良かった・・・
ひとりだったら、どうしていいのか分からなかった」
「優華には、俺がついてるんだから・・・大丈夫だよ。
早速、明日とあさってで、優華の身の回りの必要な物を運ぼうか。
優華・・・ちょっと、こっち来て・・・」
更新日:2009-08-04 23:05:29