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私は、悠介の部屋の前に来ていた。
インターホンを押して・・・「はい」
「私・・・優華・・・」
ドアが、開いて・・・「どうした?こんな時間に・・・入って」
「うん・・・」部屋に入ると・・・
「今、仕事の帰りか?」
「うん・・・」
「珍しいな・・・優華が、仕事帰りに家に来るなんて・・・」
「うん・・・」
「どうした?・・・優華・・・何かあったのか?」
「ううん・・・何もないよ・・・」
「俺も、今、帰って来たところ・・・あぁ夕食は?済んだ?」
「うん・・・済ませた」
「俺も・・・コーヒーでも入れるか?飲むだろう?」
「うん・・・」

悠介の入れるコーヒーの香りが・・・
こんなにも私を癒してくれるなんて・・・
なんだか・・・ほっとしたら・・・涙が・・・

「はい。入ったよ・・・コーヒー」

「ありがとう・・・」 涙は、ごまかしたつもりだったのに・・・

「優華・・・やっぱり何かあったんだろう?
話してくれないのか?俺じゃあ頼りにならないか?」

「そうじゃないの・・・私の問題だから・・・」

「優華の問題は、俺の問題でもあるだろう?違うか?」

私は、きょうあった事を悠介に話した・・・
悠介は、黙って聞いてくれて・・・

何も言わずに・・・抱きしめてくれた・・・
悠介の胸が・・・あったかくて・・・
ただそれだけで・・・幸せだった・・・落ち着けた。

悠介は、「良かった・・・優華に、何か、あったら・・・
そう思うと・・・生きた心地がしない・・・本当に良かった。

優華、仕事、辞めてもいいんだよ。そんな思いまでして、続ける事ないよ。
俺たち結婚するんだろう?少し早くなっただけだと思えばいいだろう?」

「でも・・・このまま逃げ出すみたいで嫌なの・・・」

「何かあってからじゃあ、遅いんだよ。
そんな卑怯なやつに・・・もしも優華が・・・
考えただけで俺は、とても普通じゃ居られないよ」

「悠介・・・」

更新日:2009-08-01 14:34:59

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