• 49 / 201 ページ

事件


ゆっくり、のんびり悠介と温泉旅館で過ごした週末も終わり。

また、いつもの一週間が、始まった。

木曜日まで、仕事を済ませ・・・金曜日。

朝、副学長から、意外な事を言われた・・・

「理事長から、きょう1日、あなたを貸して欲しいと言われたの。
秘書と出席しないとカッコつかないシンポジウムらしいのよ。
昨日から、彼の秘書は、夏風邪で休んでるらしくて・・・
きょうだけ、お願い出来ないかしら・・・?」

「私が、ですか?」

「ええ。学内で、一番美人のあなたを御指名なのよ・・・。
気が、進まない?・・・わよね・・・。
いろいろと噂のある人だからね・・・。

実はね。これは、あなたには、言わなかった事なんだけど・・・
1年前に、理事長の前の秘書が、辞めた時に・・・
あなたを譲って欲しいと頼まれてたのよ。

でも、私が、お断りしたの。
私にとって、必要な子だから、お譲りは出来ないと・・・。

そういう経緯が、あるから・・・今回は、断れなかったのよ。
頼まれて、くれないかしら?」

「でも・・・私、理事長の仕事は、何も分かりませんけど・・・
それで、いいんですか?」

「隣りに、居てくれるだけで、いいそうよ。
今回だけと約束もしておいたから・・・お願い出来ない?」

「副学長が、そうおっしゃるのなら・・・」

「引き受けてくれる?」

「でも・・・本当に、今回だけで、お願いします。
私、ああいうタイプ・・・苦手なんです・・・」

「得意な人は、いないと思うけど・・・ごめんね。
ただ・・・くれぐれも気を付けてね・・・。
かなりのプレイボーイだって、専らの噂だから・・・
シンポジウムが、終わったら、直帰していいからね・・・
誘われても、きちんと断って帰りなさいね」

「分かりました」

「理事長室で、待ってると思うから・・・よろしくね」

バッグや手帳・・・必要な物を持って、理事長室へ向かう・・・
セクハラ理事長と噂の・・・気が進まない・・・どうして私なの?
副学長もなんとか断ってくれれば良かったのに・・・
仕方ない・・・仕事だから・・・きょう1日だけ我慢しよう。

更新日:2010-01-09 17:21:14